中部大学教育研究16
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図21学科別に見たフレッシュマンテストの結果図22学科別に見た実力テストの結果正規分布に従うかどうかを調べたところ、検定ではいずれのテストの結果についても正規分布でないことが分かったが、図19と図20から視覚的に明かなように、到達度確認テストと比べればかなり正規分布よりの結果となっている9)。表8に示すように、全体としてはわずかに平均点の上昇が見られるが、平均点の変化はレベル毎に異なり、表9に示すように、中級ではわずかの上昇、上級ではわずかの減少、初級では比較的大きな上昇が見られた。表9レベル毎のフレッシュマンテストと実力テストの比較フレッシュマンテストの結果と実力テストの結果について相関を調べてみたところ、全体としては有意確率.000未満でrs=.839という高い相関が見られたが、レベル毎に分析したところ、表10のようになった10)。表10フレッシュマンテストと実力テストの相関また、フレッシュマンテストと実力テストの平均点の変化についてWilcoxonの符号付き順位検定を行ったところ、全体としては有意ではなかったが、レベル毎に分析した場合、上級と初級においては差は有意であった(有意水準は.05)。また効果量については上級では小(r=-.26)、初級では大(r=.50)であった11)。以上のことから、英語力に関して、上級と中級においてはほとんど違いが見られなかったが、初級においてはある程度の伸びが見られたと言えるであろう。全体としては上記の通りであるが、個々のケースを見ていくと、大きく得点を伸ばした受講生もいれば、大きく得点を減らした者もいる。具体的な数字をあげれば、伸びた受講生が1096名、変化なしが174名、点を落とした受講生が994名という結果であり、二つのテストの得点の差の最大値は46、最小値は-48であった。つまり、46点の驚異的な伸びを見せた受講生がある一方で、48点も点を落とした受講生がいるということである。点を落とした受講生より伸ばした受講生の方が多いのは喜ぶべき点であるが、それでも点を落とした学生及び変化のなかった学生が相当数いるのは残念である。さらに、フレッシュマンテストおよび実力テストと、到達度確認テストとの相関を調べたところ、表11のようになった12)。なお、有意確率は全て.000未満である。表11フレッシュマンテスト/実力テストと到達度確認テストとの相関―95―平成27年度の全学英語教育に関する報告

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