中部大学教育研究15
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()(1)13.3 2016(2) 10.5 1717(1) 18.2 1618(1)16.8 1314(2) 14.7 1514(1)9.8 1719(2)20.3 1821()(2) 7.7 8 6 (1)3.5 8 11(1)14 6 10(2)7.7 5 5 (1)0 0 1 (1)2.1 1113(2)8.4 1011(1)14 1715(2)1.4 5 4 (2)0.7 4 6 (3)0 1 1 11) (1) 7 6 5 (1)1.4 3 1 また多数ではないが、3年次においても、IRT診断テストで高3レベル以上と判定されていても論述文の評価点が低い、書けていない学生がいることも確かである。したがって、「書く」ことに特別な訓練が必要であることも確認できる。なお、書く力の伸びが少ない学生については、山本(2015)2)で問題点の詳細な検討をしているので参照されたい。以上、論述文の評価点から、全体的には書く力がついていること、ただし一部に「伸び」の見られない学生がいること、特に語彙力の低い層に問題がある可能性があることを述べた。5書く際の問題点はどのように改善するか次に書く際に見られる問題点がどのように改善するかについて、添削評価を手掛かりに検討する。ここでは1、3、4年生に同じ条件で添削評価を実施した2014年4月のデータを用いる。分析の対象とするのは、2014年度の日本語日本文化学科1年生30人、3年生21人、4年生21人の論述文8)である。論述文添削評価は以下の手順で実施した。1)論述文課題の実施:「日本は豊かか」というテーマで、30分間で600字という条件で書かせたものである。事前のテーマの予告はなし、辞書の参照もなしとした。2)添削評価の実施:表7に示した20項目30点満点(基本事項4点、形式項目13点、内容項目13点、合計30点)で評価をおこなった。2013年度の評価項目とは、「イ⑨大学生にふさわしい表現を用いているか」と「ウ⑧最後に内容が的確にまとめられているか」の2項目をできていたら1点加点する「加点項目」として増やし、さらに配点の軽重を付けた点で異なっている。3)「気づき」の実施:添削済み論述文を返却し、添削をみて「気づいたこと」(以下「気づき」とする)を学生に書かせた9)。5.1全体的傾向まず、学年ごとの評価平均点を表6に示す。4章では2013年度の入学生の1年次と3年次の評価点を比較して、伸びがみられることを述べたが、表6からも1年生よりも3年生、4年生と学年にしたがって評価の平均点が高くなっていることが確認できる。一元配置の分散分析をおこなったところ、平均点には有意な違いがあることが認められた10)。表6評価点平均点(点(SD))次に、どの評価項目が問題ないか(減点されていないか)を学年ごとにまとめたものを表7に示す。ここでは、比較しやすいように1年生の数値を3、4年生と同様に21人分に換算したものを示す。表7各評価項目で満点となっている人数(人)N=215.2基本事項表7を見ると、「基本事項」に関しては、1年生では「②表記規則」のできている人数が少なく、「①制限字数」も足りていない学生が多い。しかし、3年生になるとどの項目でも80%に近い学生ができるようになっている。入学時には書き慣れていないが、3年生―38―山本裕子1(N=31) 3(N=21) 4(N=21) (4)2.90 3.42 3.38 (13)7.53 7.57 8.48 (13)4.53 5.95 6.00 (30)*14.97(3.30) 16.95(4.23) 17.86(4.13) *F(2, 69)=3.66, p<.05

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