中部大学教育研究14
87/110

教員が次回の授業で取り上げる。学生が理解できるような事例や図、映像を用いて説明のヒントを提供する。表3事前学習「わからない用語調べ」セッション3調査方法第8回の授業最後にミニテストを行い、テスト終了後に解答と解説を行って自己採点を行った。本時の感想や意見を書く欄に「事前学習は授業理解に役に立ったか」と「どの事前学習が役に立ったか」という質問を設けた。回答した学生は88名(94.6%)で、「役に立ったか」の回答は「はい」「少し」「いいえ」から一つ選択させたものを、単純集計した。後者の質問に対する回答は自由回答である。役に立った事前学習に関する記述の内容をよく読んで、「わからない用語調べ」「スライド資料()記入」「事例作成」「テキスト・資料を一読」に分類し、設問に答えていない内容や質問、意味不明な記述は「その他」に分類した。最終講義の第15回には、「わからない用語調べ」に焦点を絞った質問紙調査を行った。質問内容は「授業の理解」や「説明できると自信や喜びにつながるか」「他の授業でも取り入れたいか」などについて10項目である。回答は「そう思う」「ややそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」の4件法であり、それぞれ4点から1点を加算して各項目の平均点を出した。4結果第8回の授業後に実施した質問「事前学習は授業理解に役に立ったか」に対する回答は、「はい」が54名、「少し」が33名、「いいえ」が1名であった。事前学習は87名(98.9%)が授業理解に役立ったと回答している(表4)。どのような事前学習が最も役に立ったかについての自由記述を分類した。その結果、「わからない用語調べ」が最も多かった。「はい」と「少し」を合わせて、役に立ったと回答した者87名の43.7%にあたる38名が「わからない用語調べ」を取り上げていた。次に多かったのは、「スライドの()記入」で、合計21名(24.1%)であった。この学習方法は「少し」役に立ったと回答した者の中では「テキスト、資料を一読する」より少ない人数であった。「事例を作成する」は合計7名(8.0%)であった。役に立った事前学習の種類と、授業最後に行ったミニテスト(10点満点)の平均点では、「事例を作成する」が最も高く9.6点であった。「スライド資料()記入」は8.9点で、事例作成に次ぐ平均点だった。「わからない用語調べ」は8.6点で、「テキスト、資料を一読する」は8.1点であった。表4事前学習は役立ったかN=88わからない用語調べに関する10の質問に関する回答を表5にまとめた。最も平均得点が高かった項目は「調べた内容が人によって違う」3.3であった。各自が調べた用語をグループで共有すると、テキスト、インターネットのホームページ、電子辞書など出典によって、書かれていることが異なっている。学生はそれを書き写してくるため、共有場面で説明が学生によって異なる結果となる。次点は「講義が理解しやすい」3.1、「説明できると自信につながる」3.1であった。点数が低いのは、「他の授業の予習に取り入れたい」2.5、「メンバーの説明がわかりやすい」2.7、「どこがわからないか確認できた」2.8の順であった。―77―成人急性期看護学における協同的学び合いを取り入れた事前学習セッションの提案08.608.909.608.117.508.81

元のページ  ../index.html#87

このブックを見る