中部大学教育研究14
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資料1成人急性期看護学Ⅰ授業概要この科目では、生命危機状態の人への看護、主として救急看護と集中治療室における看護を学ぶ。救急看護では、主として病院に運ばれる前のケア(プレ・ホスピタルケア)と病院搬送後の医療とを、臨床の専門家を招いて学びを深め、二次救命処置や集中治療に伴う看護について学ぶ。また、心筋梗塞、広範囲熱傷、くも膜下出血、外傷などの事例をもとに具体的な対応及び必要な援助について考える。資料2成人急性期看護学Ⅰ授業計画2.1調査回の授業概要今回、調査を行ったのは急性Ⅰのうち、第9回「救急外来と集中治療室における看護」、第10回「人工呼吸器を装着した患者の看護」、第11回「くも膜下出血を発症した患者の看護」である。第9回「救急外来と集中治療室における看護」では、救急外来ならびに集中治療室で治療を受ける患者の身体的・心理的特徴と看護師の役割、家族への援助、倫理的問題等について教授する内容である。第3回で学習している緊張性気胸(外傷等の理由で、陰圧である胸腔内に空気が貯留することで胸腔内圧が高度に上昇してしまい、肺が虚脱し正常に換気ができなくなり低酸素状態に陥る)の患者の症例を用いて講義を行った。第10回「人工呼吸器を装着した患者の看護」では、人工呼吸器装着の適応、人工呼吸器のモード、危険性と合併症、人工呼吸器装着中の観察、身体的・心理的援助、家族への援助等について教授した。第11回「くも膜下出血を発症した患者の看護」では、くも膜下出血の病態と行われる検査、治療、合併症、予防、くも膜下出血を起こした患者への観察と身体的・心理的援助について教授した。3方法3.1対象者と期間対象者は、2013年度保健看護学科入学生で、急性Ⅰを履修した93名である。春学期15回のうち、3回の講義を分析対象とした。3.2調査方法と内容第9回から11回までの講義では、講義資料と共にわからない用語とその意味を調べることができる用紙を事前課題としてウェブ上にアップした。課題内容は、学生に講義資料を一読し、講義資料および関連するテキスト頁の中から自分がわからないと思った用語を五つ書き出して所定の用紙に記入させた。さらに、学生がわからない用語に対して、意味を調べて記述することを求めた。講義開始前に担当教員は一通り講義室を回り、学生のわからない用語についての傾向を把握したのちに講義を行い、講義終了後に用紙の回収を行った。3.3分析方法学生がわからない用語として挙げた用語を、毎回の講義終了後に集計した。集計した結果は、客観的にコード化して視覚化できるIBMSPSSTextAnalyticsforSurvey(TAfS)を用いて分析した。TAfSでは、各回のわからない用語の頻度分析および共起を確認した。共起関係とは、ある単語と他の単語が同一文章中に出現する確率であり、本研究においては、一人の学生が同時にわからない用語として挙げてくる確率が高い関係を示す。4結果4.1頻度分析講義資料を読んだ上で、学生が挙げたわからない用語と頻度分析の結果を表1に示した。以下、用語を“”で示し、()には出現頻度を示した。「救急外来と集中治療室における看護」についてのわからない用語として、91の用語が挙げられた。上位10位と頻度は、“トリアージ”(43)、“IABP”(38)、“胸腔ドレナージ”(34)、“除脳硬直”(31)、“平坦脳波”(23)、“ファシリテーター”(22)、“ICU”(20)、“穿孔”(13)、“ドレナージ”(11)、“デブリードマン”(9)であった。「人工呼吸器を装着した患者の看護」については、73の用語が挙げられた。上位10位と頻度―40―江尻晴美・中山奈津紀・牧野典子123456789101112131415

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