中部大学教育研究14
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図21学科別に見たフレッシュマンテストの結果図22学科別に見た実力テストの結果正規分布に従うかどうかを調べたところ、検定ではいずれのテストの結果についても正規分布でないことが分かったが、図19と図20から視覚的に明かなように、到達度確認テストと比べればかなり正規分布よりの結果となっている。8)フレッシュマンテストの結果と実力テストの結果について相関を調べてみたところ、有意確率.000未満で.803という極めて高い相関が見られた。9)フレッシュマンテストと比べた場合の実力テストの平均点の上昇(表8の「全体1」と「全体2」の差)についてWilcoxonの符号付き順位検定を行ったところ、差は有意(有意確率は.044)であるとの結果が出た。ただし効果量は.04である。10)従って、わずかではあるが、教育効果があったと解釈することが可能である。とは言え、個々のケースを見ていくと、大きく得点を伸ばした受講生もいれば、大きく得点を減らした者もいる。実力テストの結果とフレッシュマンテストの結果の差を求めたところ、最大値は52、最小値は-46であった。つまり、52点の驚異的な伸びを見せた受講生がある一方で、46点も点を落とした受講生がいるということである。具体的な数字をあげれば、伸びた受講生が1126名、変化なしが193名、点を落とした受講生が1010名という結果であった。両テストの差のヒストグラムを図23に示す。図23両テスト結果の差点を落とした受講生より伸ばした受講生の方が多いのは喜ぶべき点であるが、それでも点を落とした学生及び変化のなかった学生が相当数いるのは残念である。さらに、フレッシュマンテストおよび実力テストと、到達度確認テストとの相関を調べたところ、表9のようになった。11)なお、有意確率は全て.000未満である。表9フレッシュマンテスト/実力テストと到達度確認テストとの相関到達度確認テストは真面目に準備さえすれば高得点が期待できるため実力以上の得点を取る可能性は否定できないが、それでも到達度テストの全ての項目とフレッシュマンテストおよび実力テストの間に有意な正の相関がある点は注目に値する。また、相関の強さに関して、4つの問題のうち、「日英」との相関が最も高く、続いて「文法」または「方略」、最後に「英日」となっていることから、日本語を英語にする問題が最も実力を反映しやすく、続いて文法および読解方略に―35―平成25年度の全学英語教育に関する報告 .305** .297** .420** .419** .399** .383** .399** .329** .180** .215** .310** .329** .293** .302** .285** .307**

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