中部大学教育研究14
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図3.1より、「ディベート(討論)の利用」「ロールプレイング/シミュレーション」「フィールド学習・体験授業」は小規模の授業に多い傾向が、また「ピア・ティーチング」「e-learning」は50人以上の人数が大きい場合に多く実施されている傾向がある。「PBL(問題解決型授業)」はグループに分かれて実施することもあり、受講生数にあまり左右されていない結果が得られた。図3.2は実施してみたいAL授業であるが、「ディベート(討論)の利用」「クリッカー(Cumoc)を用いた双方向授業」「e-learning」が50人以上の規模で多く、「フィールド学習・体験授業」は30人未満の授業で多い結果となった。「ディベート(討論)の利用」は人数が少ない授業に実施しているだけでなく、受講者数が多い授業でも利用したいと考える教員が多く、ディベートは授業の総合的な達成目標を評価する重要な手法と認識されているものとも取ることができる。3.3AL授業の形式と開講年次AL授業の種類と開講年次について図4のように整理した。ここから、低学年次には、「ロールプレイング/シミュレーション」「クリッカーを利用した双方向授業」「e-learning」といったAL授業が多く、基礎的知識を修得させることにポイントをおいた形式が採用されているように考察できる。逆に、「ディベート(討論)の利用」や「フィールド学習・体験授業」を基礎が終わった高学年に応用として実施されている傾向にある。カリキュラムに沿った適切なAL授業が勘案されているものと考えられる。図4AL授業の取組みと授業開講時期3.4学部別のAL授業の実施数AL授業に適した授業、適さない授業があることは、誰しも容易に理解できる。そこで、学部ごとにその違いはあるのか、AL授業が実施されている授業を学部別に分類してみた。結果を図5に示す。生命健康科学部、工学部、人文学部、現代教育学部の順でAL授業が実施されている結果が得られた。これは、アンケート回答数でもあるので全てを示しているとは限らないが、参考までに示した。助教以上の人数に比例する傾向が見られたため、助教以上の人数でAL授業取組数を除して学部ごとで教員1人当たりのAL授業取組数を割り出した(全学共通は除く)。概ね、教員1人当たり、0.5取組数となった。理系、文系、資格系学部に関係ないことがわかった。現代教育学部では、教員1人当たりのAL授業取組数は2.0と最も多く、教育者を養成する上で必須の教育形式とも判断できよう。逆に応用生物学部が0.33取組数と最も低いのは、授業規模が他学部に比べて大きいことに因るものと推察されるが、ここでは詳細な分析は行っていない。また、AL授業の取組が行われる授業の開講年次について、国際関係学部や応用生物学部では高学年次になるほど高い傾向があり、3.3で述べたような「フィールド学習」といったAL形式によるものと考えられる。図5学部別AL授業実施数3.51つの授業におけるAL授業の形式1つの授業に対して、複数のAL授業の形式を取り入れていることが、今回のアンケートから明らかとなり、AL授業を取り入れている中での取組数を図6に整理し、結果を示す。―27―アクティブ・ラーニング授業の実施状況と学習時間020406080100120140160180AALL0.00.51.01.52.02.501020304050607080901001ALAL1AL図61つのAL授業における取組み数(形式数)

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