中部大学教育研究14
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後も学内実習に向けた視聴覚教材を作成する際には十分検討し、改良・改善を計っていくことが必要である。5.4ビデオの内容に対する学生評価表2に注射法・採血法ビデオの内容に対する学生の評価を示す。視聴時間の長さはいずれも80%以上の学生が良いと回答した。カメラのアングルについては、注射は「あまりよくない」3名(30%)、採血は「あまりよくない」1名(10%)であった。字幕の表現については、注射は「ふつう」3名(30%)「あまりよくない」3名(30%)、採血は「ふつう」3名(30%)であった。手技の速度については、注射は「ふつう」3名(30%)、「あまりよくない」1名(10%)、採血は「ふつう」2名(20%)、「あまりよくない」1名(10%)であった。自由記述欄の回答では、注射について、「針の刺入について方法や程度などについて見づらい、よくわからない」という意見があった。他には、「看護師の立つ位置やワゴンの位置がわかりやすかった」「声かけ・観察の仕方がわかりやすかった」との意見が見られた。採血については、「実施の仕方で注意点が最後にもう一度流れたところが良かった」「針の刺し方、声掛けが一番実施前に気になっていてその部分もわかりやすく勉強になった」「挿入した注射器の固定の仕方が特にわかりやすかった」「採血の流れがわかりやすかった」という良い評価と、「もう少し近くから撮って欲しい」との要望もあった。これらも学内実習に向けた視聴覚教材を作成する際の検討課題であると考える。表2ビデオの内容に対する学生評価6おわりに今回の調査は、CumocLを視聴覚教材の学生評価に初めて活用するということと、研究協力の要請に期間を十分に確保できなかったことが影響し、回答率が低い結果となり十分な成果を得たとは言えない。しかし、学生からの意見を取り入れて授業改善へつなげていく取り組みとしては意義がある調査だったと考える。今後同様の調査研究を今回の経験を踏まえて行うことで、双方向の教育改善につながっていくと考える。謝辞今回の調査に対し、ご協力いただいた本学保健看護学科の学生に心から感謝申し上げます。参考文献1)日本大百科全書(ニッポニカ)、小学館、19942)長谷川芳子、堀良子、猪又克子他、基礎看護技術のビデオ作りに挑戦して、看護教育、33(6)、422-428、1992.3)池田ひろみ青井聡美、吉田なよ子他、効果的な教育・自己学習支援を進めるためのCAI教材の作成とe-Learningシステム導入の検討、人間と科学、県立広島大学保健福祉学部誌、12(1)、43-52、2012.4)高橋由起子、松田好美、加藤直樹他、ブレンディッドラーニングシステムを活用したe-learningのアクセス履歴の分析、岐阜看護研究会誌、4、1-7、2012.5)中澤貴代、矢野理香、青柳道子他、複数のマンシェット装着動作を視聴する新教育プログラムの効果、日本看護学教育学会誌、18(2)、31-39、2008.6)相原ひろみ、岡田ルリ子、徳永なみじ他、基礎看―23―基礎看護技術のビデオ学習の実態調査と学生評価表1ビデオ視聴方法と回数および学習効果

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