中部大学教育研究14
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NsNsⅧ.CE-8図11は、CE-8を図式化したものである。CE-8においては、1年目において機器購入選定を任されるも担当から外され挫折を味わうも、2年目に配置転科にて克服していくさまが見て取れる。その体験から経験して覚えることもあると、経験の重要性を感じている。図11CE-8のカテゴリー関連の図式化Ⅸ.CE-9図12は、CE-9を図式化したものである。CE-9においては、希望通りの仕事につけたことが、就職後の不安を克服する要因となっており、職場適応が見て取れ、学生時代との関連性が分かる。臨床実習の心構えとして、患者に対する質問をすることが大切であると語っている。図12CE-9のカテゴリー関連の図式化Ⅹ.CE-10図13は、CE-10を図式化したものである。CE-10においては、休みが取れないなどの不満もあるが、やりがいを感じており知識不足などを自分で調べたりし克服していくさまが見て取れる。臨床実習においては、積極性が必要であると語っている。図13CE-10のカテゴリー関連の図式化7考察表2にCE-1からCE-10の相違点や一致点を比べて表に示す。一覧表から得られた共通点となりうる特徴的な項目として、職場の人間関係が良好であり、10例ともスタッフからの指導を受けながら業務に取り組むも、学校での教育内容と臨床現場での違いを感じ、とまどいもあった。CE-1においては、実際に患者との関わりができない学校教育の限界も語っている。CE-2は施設間の業務内容の差異について『底辺』と『夢』と表現しているほどの違いを強く感じている。CE-4については部門システムや、看護師との業務範囲の境界など確立されていない現状が見られた。就職直後の状況として・患者への説明や機器のメンテナンスに力不足を感じた・手術室勤務で特殊性がありストレスから体調不良となった・血圧低下時の処置など患者対応に苦労した・穿刺の失敗から患者との関係が悪くなり、コミュニケーションが取れない、などが見えてきた。患者との関係において、緊急時の処置や影響の大きさ、コミュニケーションの難しさを感じており、学校での教育内容と臨床現場での違いにとまどいも見られた。入職して一年を経過した時点では、いずれも就職直後の力不足、知識不足を克服し、やりがいを感じ仕事が楽しいと言うまでに至っている。患者との関係を克服したのちに仕事への楽しさ、やりがいへと転換した事例も多く見られた。一年間の変化の過程における職場適応を推進した要素は、10例とも先輩からの指導や助言、自らの勉強、経験があげられる。学校教育の振り返りからは、臨床実習の重要性が示唆され、また言葉使いが大切であるとの意見もあり、知識のみならず、対人スキルの必要性が考えられる。全事例に共通して、臨床現場での知識不足を痛感しており、共通することとしては、学校で基礎知識を身に付けておくことも必要ではあるが、職場適応においては、先輩との関係、患者との関係に見られるように人―13―臨床工学技士の人材育成における質的研究1Ns21

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