中部大学教育研究14
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まず、10人をインタビュー形式のデータ収集面接を行い、面接内容を文字にして文章化する。その文章化したものを、個人的な思い入れなどは排除し、客観的に文章を細かく分断し断片化していく。次に、断片化した内容を適切に表現する簡潔なラベルを作りコード化する。さらに、同じようなコード(ラベル)同士をまとめ、上位概念となるカテゴリーを作り名前をつける。そして、カテゴリーとサブカテゴリーを関連づけて現象を表現する。表1は、実際の断片化、コード化したものである。「会話」の欄は、面接内容を文章化にしたものを1文ずつ「断片化」して番号を付けている。すべての文章に番号が付けられたのち、2名の担当者が「断片化」した文章の内容を客観的に表す「ラベル」を作成し、opencode欄に記入する。この作業は個別で行い、終了後、他のスタッフも交えて、適切な「最終コード」は何かを話し合い決定する。図2は、「最終コード」決定の後、すべての最終コードを短冊としたところである。図3はすべての短冊形の「最終コード」をカテゴリー別に分類し、カテゴリー間の関連を図式化しているところである。このカテゴリーにも上位概念となるタイトルをつけ、関連について矢印などを用い図式化していく。この一連の過程を通じてインタビューの中から浮かび上がってきたキーワードや概念を言語化する基礎の「図式化」を完成させる。質的研究の短所としてデータの信頼性ということがあげられる。「コード化」したデータも、その後の解析も研究者の判断にゆだねられる部分が大きいので、この点が特に問題になる。この問題を補うため、本研究では常に複数の担当者により作業を行うことで、デー―10―福田信吾・武田明・米澤久幸・宮本靖義・矢澤浩成・藤部百代表1断片化、コード化したもの図2最終のコード化を短冊形にする図3関連を図式化していく過程………codecodeオープンコードオープンコード

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