中部大学教育研究14
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4.3学部単位の講演会月に一回程度、学部単位の講演会も開催されていた。この講演会では、他の分野との接点を探り、医学者としての知見を広めることに焦点が当てられているようで、「音楽の医学的効用」や「医学者による文学」など学際的なテーマの講演会が多かった。参加したのは数度であったが、いずれも興味深い内容であった。4.4NHKスペシャル『超常現象』筆者の滞在中にNHKが取材に研究所を訪れた。超常現象に迫る科学者達を特集した番組の企画で、取材対象は「過去生」の記憶を持つ子ども達の研究に携わるタッカー博士。筆者も微力ながら、取材に協力させていただいた。番組は『超常現象』のタイトルで2014年の1月にBSの『BSプレミアム』として、3月に『NHKスペシャル』として放送された。NHKらしい抑制の効いた内容で、超能力や意識の死後存続、生まれ変わり現象について地道な研究に取り組む科学者の存在が広く認知されるいい機会になったと思う。同放送は、ディレクターらの手によって書籍化され『NHKスペシャル超常現象科学者たちの挑戦』として出版された。4.5瞑想科学センターバージニア大学には2012年に瞑想について学際的に研究を行う瞑想科学センター(ContemplativeSciencesCenter)が創設され、それ以来、ヨガや瞑想など、人間意識の東洋的なアプローチに関する講演・講習会が定期的に行われている。そのいくつかに参加したが、中でもロタンダの前のローンと呼ばれる広大な芝生に集った500人ほどの参加者が、ディパック・チョプラの導きによって行った瞑想会は大変有意義な体験であった。写真11ローンでの瞑想会写真12瞑想を指導するチョプラ博士5学会への参加学外で開催された学会に関しては、懐事情により、参加することが出来たのは二つだけであったが、いずれにおいても得る所は非常に大きかった。一つは、デトロイトで開催された科学的探究協会(SocietyforScientificExploration)主催の大会で、ここでは池川明医師との共同研究に関する発表を行った。写真13デトロイトでの学会発表もう一つは国際臨死体験学会(InternationalAssociationforNear-DeathStudies)主催の大会で、ワシントンDCの近くのアーリントンでの開催であった。会場においてエベン・アレクサンダー(脳外科医の臨死体験者)を初めとする、著名な方々と直接交流することが出来たのは大変な幸運であった。1970年半ばから40年近く精力的に研究がなされてきた臨死体験研究であるが、日本での研究は数えるほどしかない。この大会に参加し、臨死体験が人間研究にとってきわめて重要な分野であることを再確認した次第である。―90―大門正幸

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