中部大学教育研究13
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再履修者のどの結果を見ても0点の多さが目立つ。これは、履修登録をしてはいるが、一度も授業に出ていない学生が多いことを反映している。上級者や初中級者と比べると全体的に得点が低く、満点をとる学生の少なさも著しい。語彙問題では、日本語を英語に訳す問題よりも英語から日本語に訳す問題のほうが少し得点が高くなっており英語よりも日本語を覚えるほうが得意な傾向がみえる。再履修者のクラスは学力別編成ではないため、英語力や学科、学年が混在しており、それがテスト結果に反映されている部分もあるようである。再履修者については、平成23年度より新入生とは別のクラスを開講し、1人でも多くの学生が単位取得できるような学習環境を提供している。しかし、まだまだ出席率の低さに起因する成績不良の問題が多く、この点はさらに検討が必要な大きな問題である。3フレッシュマンテストとプレースメントテスト前述のように、入学時に「英語スキルⅠ」のクラス分けのためのフレッシュマンテストを実施している。また、「英語スキルⅡ」が開講されている12月に2年次のクラス分けの資料用にプレースメントテストを実施している。これらは比較可能な内容であるため、両者の結果を図25と図26で示しておく。両テストの平均点はほぼ同程度であるが、フレッシュマンテストよりプレースメントテストのほうが満点の人数が多い。4終わりに到達度確認テストは、大門他(2011)でも報告したように、真面目に勉強すれば誰でも高得点が取れるように構成されている。また、全学英語教育科では、特に英語力に不安のあるクラスや学生のために小テストを用意し、担当教員が問題を自由に変更したり、部分的に利用出来るような対策をとっている。さらに、「語彙」、「文法」、「読解方略」は授業の柱であるため、評価の際にはテスト問題のこれらの3つの比率がそれぞれ等しくなるように調整を行っており、学生にもいずれもが重要と感じる指導をしている。よって、ほぼどの級の学生も高得点が多く取れたことは、科目が掲げる到達度に達成出来た成果であると言える。一方、上記のような背景のテストであるにも関わらず、再履修者の得点が決して高くない点は大変残念であり、現在再履修者クラスの学習達成目標や評価基準のあり方についての検討を行っている最中である。―84―和田珠実・大門正幸・今村洋美・西村智・野田恵剛・山田伸明図26プレースメントテストの結果図24再履修者の読解方略テストの結果(秋)図25フレッシュマンテストの結果

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