中部大学教育研究13
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1はじめに平成23年度の全学共通教育のカリキュラム改訂以来、全学英語教育科では全学共通教育科目のスキル教育科目として「英語スキルⅠ/Ⅱ」を実施している。当科目の基本方針や実施方法、授業内に実施した到達度確認テストの平成23年度までの結果については、既に大門他(2010,2011,2012)で報告済みである。本稿では、「英語スキルⅠ/Ⅱ」の2年目にあたる平成24年度に実施した到達度確認テストの結果について報告を行う。1)この授業は、新入生用の上級・中級・初級クラスとそれ以外の再履修クラスという4つのクラスで編成されている。上級・中級・初級のクラス分けは、入学時に受験したフレッシュマンテストの結果に基づいて行われる。使用する教材については、上級クラスのみ別のものを使用し、初級・中級・再履修クラスでは共通の教材を使用している。この授業における到達度確認テストの柱となるのは、語彙に関する問題、文法に関する問題、読解方略に関する問題の3つであるが、語彙については、さらに、日本語を英語に訳す問題と英語を日本語に訳す問題の2種類に分けられる。初級・中級・再履修クラスの問題は共通であるが、上級クラスの問題はやや難易度が高くなっている。以上のようなクラス編成、到達度確認テストの内容を考慮し、以下では「上級クラス」、「初級・中級クラス」、「再履修クラス」の3つについて、到達度確認テストの()語彙1(日本語を英語に訳す問題)、()語彙2(英語を日本語に訳す問題)、()文法、()読解方略の4項目に関するテスト結果を別々に報告する。2到達度確認テストの結果到達度確認テストの受験者は、春、秋学期それぞれ1年生2,338名、2,372名、2年生以上の再履修者225名、157名で合計2,563名、2,529名であった。1年生のレベル毎の受験者数は上級者309名、301名、初中級者2,029名、2,071名であった。なお、分析にはMacOSX版のSPSSStatistics20を用いた。2.1上級者上級者の到達度確認テストの結果は、図1~図8に示す通りである。なお、満点はテスト項目によって異なるが、比較を容易にするために、全てを100点満点に換算してある。したがって、図中の「平均点」は厳密には「正答率」のことである。なお、比較のため、図では正規曲線を示してある。―79―中部大学教育研究№13(2013)79-85平成24年度の全学英語教育報告和田珠実・大門正幸・今村洋美西村智・野田恵剛・山田伸明図2上級者の語彙(英語から日本語)テスト結果(春)図1上級者の語彙(日本語から英語)テスト結果(春)
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