中部大学教育研究13
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教員間で調整などを行った。1回目グループ別オリエンテーション2回目学力確認試験3回目中部大学・児童教育学科について学ぼう大学生活と精神衛生4回目社会貢献活動①計画・学習指導要領学習法5回目演劇鑑賞6回目学習指導要領学習会①ディベート①7回目環境美化①・「私400」①8回目学習指導要領学習会②ディベート②9回目環境美化②学習指導要領学習会③ディベート③10回目グループ対抗ディベート大会11回目学習指導要領学習会④「私400」②12回目環境美化③学習指導要領学習会⑤社会貢献活動②プラン報告13回目グループ対抗「学習指導要領」試験「私400」③14回目全体の振り返り1.3本研究の目的本研究は、2013年度の「スタートアップセミナー」に対する学生と教員の授業評価をアンケート調査によって客観的に分析し、1年目の結果と比較しながら今後の資料を得ることを目的とする。具体的には、授業の4つの目標はどの程度達成されたかを、4つの活動(社会貢献活動、「私400」、ディベート、学習指導要領学習会)に対する学生の受け止め方を通して明らかにする。また担当教員の授業評価や学生と教員の授業評価の違いについても検討する。一方、2012年度の「スタートアップセミナー」の受講学生の聞き取りから明らかになった諸問題(吉田ほか、2013)の改善についても検討したい。以上を通して、さらに充実した3年目の「スタートアップセミナー」への資料を得るとともに、教員養成系の学部の初年次教育のあり方について考察する。2方法被調査者:児童教育学科2013年度入学生95名(1回目欠席者3名、2回目欠席者3名)。担当教員10名。調査内容:学生へのアンケート調査では、被調査者の属性についての設問4項目、授業内容についての設問32項目。項目内容は結果の図1に示す通りである。回答方法はマークシート方式と自由記述。マークシート方式では回答を4段階で求め、「そう思う」に4点、「どちらかといえばそう思う」に3点、「どちらかといえばそう思わない」に2点、「そう思わない」に1点を付与して、アンケート実施時期別(1回目と2回目)にグループごとの平均値と標準偏差を算出し統計処理をした。最後に、各活動ごとにスペースを設け自由に感想を記述してもらった。教員の調査では、主担当・副担当の別及び授業出席回数、授業内容についての設問5項目。項目内容は設問1「この授業で学生は、大学での学び方が分かると思うか」、設問2「この授業は学生にとって、意味があると思うか」、設問3「この授業で学生は児童教育学科での学び方が分かると思うか」、設問4「あなた自身は、授業のねらいについて分からないと感じるか」、設問5「学生の今後の生活の役に立つと思うか」である。設問1~5の回答は4段階評定で求め、「そう思う」を4点、「どちらかといえばそう思う」を3点、「どちらかといえばそう思わない」を2点、「そう思わない」を1点とし、分析に用いた。また、各活動に対する意見・感想を自由に記述してもらった。調査時期:学生対象の調査は1回目は5月22日(5回目)、2回目は7月12日(14回目)、所要15分程度。教員対象の調査は7月下旬に1回行った。3結果と考察3.1学生を対象としたアンケート調査(設問1~36)(1)被調査者の概要設問1~4までの回答をまとめると被調査者は男子が7割であった。児童教育学科入学の動機を聞いたところ、2回目の調査ではやや減少したものの7割以上の学生が教員を志望している。また親元から通学している学生も7割以上で、大学の近隣の地域出身者が多いことが分かった。(2)「スタートアップセミナー」に関する回答の全体的な傾向設問5~36についての調査回数(1回目と2回目)別の評定平均値を図1に示した。評定値は4に近いほど「そう思う」という意識を示している。図から全体的傾向を見ると、32項目中21項目は平均値が2.5より高く、「スタートアップセミナー」を肯定的に受け止めている。評定値が2.5より低いのは逆転項目(例:○○のねらいは分からない)ばかりであった。また、後に詳述するように、1回目と2回目の調査間で評定平均値に有意差があるのは設問15だけであった。このことから、「スタートアップセミナー」は、アンケート実施時期に関係なく、全体としてほぼはじめから学生に「楽しく意義のある活動である」と受け止められていたといえよう。―68―古市真智子・吉田直子・味岡ゆい・長尾寛子

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