中部大学教育研究13
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4提出日時とレポート点の結果ライブラリを用いることで、レポートの提出日時が詳細にわかるようになった。また、レポートの提出日時は、レポートの完成日時に相当する。そこで、今回得られたレポートの提出日時とレポートの平均点から、この2つのデータの相関関係について検討する。表2は、提出日時をSからEまで区切ってランク付けをした表である。提出日時が早いほど(ランクが高いほど)提出点も高くなっている。ランク別に人数と提出点を掛け合わせ、全てのランクを足し合わせることで、学生全体の提出日時を数値化した。例えば、Sの人数が10人、Aの人数が10人、Bの人数が10人、Cの人数が10人、Dの人数が1人、Eの人数が0人だった場合、10人×6点+10人×5点+10人×4点+10人×3点+1人×2点+0人×1点=182点となる。この計算をすべての実習テーマで行った。表2提出日時ランクと提出点各実習テーマと提出日時(点)の関係をまとめたグラフを図7に示す。このグラフから、実習後半にかけて、提出日時(点)が高くなっている傾向が見られた。また予備レポートの義務化前の提出日時(点)の平均は、124点(テーマ数:9回)であったが、予備レポートを義務化した後の提出日時(点)の平均は、150点(テーマ数:5回)と向上しており、学生全体で提出日時が早くなっている傾向が見られている。除細動器・AEDとPCIで提出日時(点)が大きく低下している傾向が見られるが、これらの週は、前半授業の期末テストおよび春学期期末テストの期間と重なっており、学生達がレポートの作成よりテスト勉強を優先したためではないかと考えられる。図7各実習テーマに対する提出日時図8に提出日時ランクに対するレポート平均点の比較のグラフを示す。このグラフから、提出日時が早い学生(Sランク)はレポートの点数が高く、提出日時が遅い学生(Dランク)は点数が低くなる傾向が見て取れる。特にDランクの学生の提出日時は、提出期限直前の深夜から早朝にかけて提出されていることが多かった。一つの原因として、レポートの未提出を回避することを優先させたと思われる質の低いレポートの存在が考えられる。なお、Eランク(未提出)のレポート平均点が他のランクより大きく低下している理由としては、レポートの未提出によるペナルティ(減点)が課されたことも要因として考えられる。図8提出日時ランクに対するレポート平均点の比較5アンケート結果15週目終了後に学生に対してアンケートを実施した。ライブラリを用いたレポート提出システムが良かったかどうか(図9)を問うたところ、「1.そう思う」(78%)と「2.少し思う」(17%)を合わせて95%の学生が良いと感じている結果となった。―58―吉田拓矢・小嶋和恵・武田明・福田信吾・児玉泰・西山博司・当間健夫

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