中部大学教育研究13
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図6双方向授業の枠組み4.2グループ授業図6に示した枠組みのうち、グループ学習は重要である。これは、チームワークを身に付けることが狙いであるだけでなく、石鍋は学生の就職適正の向上を意識している。その理由として、石鍋が担当する範囲において、工学部の1割程度の学生であるが、単独で授業を受けていて、学生どうしの会話がない学生ほど就職に苦労しているように見受けられる。そのように石鍋が感じる理由として、企業ではそのように単独で仕事したがる傾向の社員は活躍しにくく、そのことから、就職適正がないと判断されることがあげられる。すなわち、グル-プ適正は益々重要と判断している。図7は、機械工学科のコンピュータ応用工学の授業であるが、この学科の学生はチームワーク適正が高い。図7機械工学科の学生のコンピュータ応用工学の受講風景図8は図書館で学習している文系の学生のチーム学習の様子である。大学の勉強とは、このように学生自らがチームで相談し、興味をもって取り組むものだと思っている。教員はそのように学生を導くのが仕事である。図8中部大学図書館の文系の学生らによる自主的なグループ学習の風景4.3Cumocの利用効果Cumocを毎回授業で利用した。質問は2問から3問とした。授業の最初の20分で、毎回の授業の重点課題を説明し、それを理解したかの確認が中心である。最初に、何を学ぶかを明確にし、さらに、その意義や授業の流れ、概要を理解させて確認することを重視した。5実践した内容の評価5.1評価の推移図9は、Cumocで毎回無記名で確認した評価結果である。全員が大変良かったと回答した場合が2.0になるように評価し、全員が大変悪かったと評価した場合が-2.0となるようにしている。図9Cumocによる評価結果(横軸授業15回の時間経過日、縦軸は、評価値)図9に示した図中の縦線は、e-learning(Blackboardlearn)の掲示版の利用を開始した時点を示している。これは各グループの内容を1枚に纏めさせて、授業中に互いに見せあう仕組みの掲示版である。すなわち、学生どうしが、互いに、相手のグループの内容をみることで、刺激しあう仕組みである。この図9は、重要な事実を示していると考える。それは、時系列に対して、縦軸の値はクロスしないとい―36―石鍋雅夫・杉井俊夫・岡崎明彦

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