中部大学教育研究13
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評価しなければならないかもしれない。「C言語基礎」(20010年度までの科目名変更前は、「コンピュータ・プログラミング」)の最近の不合格率は次のようになっている。2009年度26%2010年度30%2011年度24%2012年度20%2009年度は、受講生72名、不合格者19名であった。授業を50%以上欠席した学生は2名、3回以上欠席した学生は14名であった。2010年度は、受講生60名、不合格者18名であった。授業を50%以上欠席した学生は6名で、そのうち2名は全欠席であった。2011年度は、受講生66名、不合格者16名であった。授業を50%以上欠席した学生は2名で、そのうち1名は最初の授業以外を欠席した。2012年度は、受講生64名、不合格者13名であった。授業を50%以上欠席した学生は3名で、そのうち1名は最初の授業以外を欠席した。この年度は、授業が8回終了した時点で、欠席が目立つ学生の自宅に電話をかけ、親に出席するように指導をお願いしたこと、また、定期試験の問題を少し易しくしたことなどにより、最終合格率が約8割となったと思われる。実は、試験答案採点後の教務への成績報告では、合格率は73%であったが、報告後に、未採点答案が見つかり、成績を修正した結果、合格率が80%になった。採点は慎重の上にも慎重でなければならないと反省している。なお、この結果は、私の担当分(Aクラス)のみで、Bクラスと再履修クラスの分は入っていない。7おわりにコンピュータ・プログラミングでは、やる気のない学生をやる気にさせることが重要である。プールでの水泳の話の通り、まず、やる気を起こさないと何ごとも始まらない。また、学生個人個人に実力を付けさせるには、学生が、自分で考えてプログラムを作るようにならないと効果は出ない。考える能力を身に付けさせるためには、実習時の課題提出のとき、無条件に受け取るのではなく、自分で作ったならば容易に答えられる質問をしてやることが大切と思う。やはり、教員がいかに手をかけるかどうかに関わってくると思われる。最後に、私が大学2年生のとき、オリエンテーションで、ある先生が、「教育」という2文字は、本来は、「教え育てる」という意味ではなく、「教え育つ」という意味であると力説された。教員がいくら教えても、学生本人が育とうと思わないと決して育たないということである。さらに、「馬を川辺につれて行き、水を飲ませようと思っても、馬が水を飲もうとしないと、馬は決して水を飲まない」という話もされた。約50年前のことであるが、これらの話は余程私にとって印象的であったのか、今でも忘れず頭の中に残っている。(教授工学部情報工学科)―31―コンピュータ・プログラミングの教育について

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