中部大学教育研究13
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の重要性を訴えたことにより、医療系の学生に対する講義内容としては適切であったようだ。第3週と第4週の交通に対しても関心が集まった。筆者の専門分野なので、多数の事例を紹介したことが評価を受けたのであろう。第5週以降は印象が弱かったようだ。講義の準備不足が影響したのかもしれない。講義内容への疑問や反論も受けた。たとえば、「回復期にある対象者の生活環境を負担の少ないものにするとリハビリの効果が維持できないのでは?」、「バリアフリーは別の不平等を作るのでは?」、「福祉のまちづくりの歴史を学ぶ必要があるのか?」、「(国家試験の)主要科目ではない」など。このような疑問を持つ受講生が出たことは、本講義のプラスの成果と考えたい。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が地域で活動する意義も理解された。今後の講義における説明内容にさらに磨きをかけていきたい。注)おもな社会活動・名古屋市福祉のまちづくり推進委員会委員・愛知県人にやさしい街づくり推進委員会委員・交通バリアフリー基本構想の策定(春日井市、名古屋市、瀬戸市、豊田市、刈谷市、日進市、恵那市、多治見市、各務原市、島田市)・福祉有償運送運営協議会(春日井市、犬山市、土岐市、愛知県東郷町)・国土交通省中部運輸局バリアフリーリーダー参考文献1)秋山哲男・磯部友彦・北川博巳・都築正・寺島薫・松原淳・松原悟朗・山田稔:都市交通のユニバーサルデザイン移動しやすいまちづくり、学芸出版社、2001.2)(社)土木学会土木計画学研究委員会福祉の交通・地域計画小委員会・(財)災害科学研究所交通まちづくり学研究会編:理論から実践へ日本の交通バリアフリー、学芸出版社、20083)谷口元・磯部友彦・森崎康宣・原利明:中部国際空港のユニバーサルデザインプロセスからデザイン検証まで、鹿島出版会、2007.4)磯部友彦:医療系学科における福祉のまちづくり教育について-中部大学における実践報告-、日本福祉のまちづくり学会第16回全国大会、2013.(教授工学部都市建設工学科)―25―理学療法学科・作業療法学科専門科目「生活環境論」の実践報告

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