中部大学教育研究12
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3研究の方法筆者は普段から中部大学に関するテレビ番組・テレビニュースを録画している。それらの映像のそれぞれ一部分(3~10分程度)を、2012年度春学期に担当した「映像を読む/映像の世界」の授業(合計3クラス)で学生たちに見せた。それが以下のうち①~⑦と⑨の8本である。なお、⑧は中部大学が制作したビデオである。①第3回授業「あげテン」東海テレビ、2012年4月6日放送、人文学部卒業生が番組のアシスタントディレクターとして活躍②第5回授業「イッポウ」CBC、2010年10月18日放送、経営情報学部・T先生、携帯電話を使った授業システム(Cumoc)を紹介③第7回授業「ほっとイブニング」NHK、2012年5月21日放送、「ニュースJAPAN」フジテレビ、2012年4月30日放送、工学部・H先生、居眠り運転防止システムを開発④第8回授業「あげテン」東海テレビ、2012年5月25日放送、人文学部卒業生が番組のアシスタントディレクターとして活躍(2回目)⑤第9回授業「SKE大学ナビ」メーテレ、2011年5月12日放送、民族資料博物館を国際関係学部・W先生とSKE48メンバーが紹介⑥第10回授業「ほっとイブニング」NHK、2011年5月20日放送、現代教育学部・F先生、辞書引き学習法⑦第11回授業「さらさらサラダ」NHK、2011年11月24日放送、笑顔の写真を印刷した傘で展覧会アートディレクター工学部卒業生・Mさん⑧第13回授業「不言実行創立者、夢の軌跡」中部大学紹介ビデオ、2008年改訂版⑨第14回授業「情熱大陸」TBS、2011年7月24日放送、総合工学研究所・T先生これらの映像を視聴したことによる「自校教育」の効果について、毎回の授業での「感想・質問カード」の内容と、最終回(第15回)の授業内で実施したアンケートをもとに検討を行った。対象者は、2012年度春学期金曜日3・4限に開講している「映像を読む/映像の世界」の受講生である。受講生の属性は、文系・理系7学部すべてにわたり、学年も1年生から4年生まですべてにわたる。アンケート調査は2012年7月20日の第15回の授業の最後に行い、当日出席者107人のうち96.3%にあたる103人から回答があった。アンケート調査は、上記9本の映像を視聴したことで「問1中部大学の教育・研究の特徴への理解が深まったかどうか」「問2中部大学への愛校心が高まったかどうか」「問3自分自身のやる気や学習意欲が高まったかどうか」「問4中部大学の目的・理念についての理解が深まったかどうか」「問5中部大学の歴史についての理解が深まったかどうか」の5つについてそれぞれ5件法で尋ねた。4結果と考察4.1自校教育における映像視聴の効果第7回授業(「居眠り運転防止システム開発」についてのニュースを視聴)後の「感想・質問カード」には、以下のような感想が見られた。中部大学って意外にニュースで取り上げられているんだなと思ったし、意外にすごい先生が多いと思った。(経営情報学部、2年生、男性)普段当たり前に来ている中部大学が、全国に名前を知られていることは、とてもすごいことだと思いました。(経営情報学部、2年生、男性)これまで中部大学のことをあなどっていたが、あなどれないと思った。技術力は名古屋大学より高いのではないか。(応用生物学部、2年生、女性)これらのように、わずか5分前後のニュース映像ではあるが、自校の教員、そしてその研究がテレビニュースで紹介されていた映像を見たことで、中部大学で行われている研究について、誇りに感じる感想が多く見られた。また、第9回授業(「中部大学・民俗資料博物館」を紹介したテレビ番組を視聴)後の「感想・質問カード」では、以下のような感想が見られた。中部大学にこんなすごい施設があるとは知りませんでした。今度行ってみたいと思います。(生命健康科学部、1年生、女性)まさかSKEが中部大学に来ていたとはびっくりですね。中部大はすごいところだなと改めて感じました。(工学部、2年生、男性)これら第7回授業、第9回授業の「感想・質問カード」の記述に共通して見られるのは、「1.今まで知らなかった自校のことを、テレビ局が制作した映像で知る」、そして「2.テレビ局の映像として自校が紹介されていることで、自校のことを誇りに思う」という2つの過程である。これらについては、さらに次節5で検討する。なお、学生たちにとって効果があったのは、テレビ映像ばかりではない。中部大学が制作したDVD「不―78―近藤尚

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