中部大学教育研究12
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ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ステップ5 2.6成績評価第2回から第6回までの内容の復習テスト20点、書くこと20点、話すこと20点、小テスト40点の配点で評価している。その他100点満点の別枠で、日本語検定の合格による加点(3級認定で10点、3級準認定で5点)がある。出席不良者に対しては、第5回の授業が終わった時点で欠席・遅刻の目立つ学生を授業担当者から報告してもらい、学科ごとにまとめて各学科主任に連絡している。これは必修科目の学科に対してのみ行っており、出席状況の悪い学生の情報提供という意味合いが強いが、可能な範囲での指導もお願いしている。学科主任から学生の状況説明のフィードバックがあったり、即座に指導が入って翌週から該当学生の出席状況がよくなったりした例がかなりある。単位不認定者は、春学期については1年目が受講者1,356名中30名(2.2%)、2年目が1,417名中48名(3.4%)であった。2年目はやや増加したが、それでも低率である。どのクラスもおしなべて出席状況はよく、学生の受講の様子もまずまずであるという報告を各教員から受けているが、それが低い不認定率の主な要因であろう。なお、秋学期については1年目450名中33名(7.3%)と春学期に比べて高率だが、これは秋学期の開講クラスが3つの学科を除きすべて選択科目である学科を対象としていることの影響であると考えられる。2.7授業内容を共通化するための取り組み「はじめに」で述べた通り、「日本語スキルA」は全クラスがほほ同内容の授業である。そのためシラバス、教科書・小テスト用教材は同一のものとし、評価方法も統一した。小テストは、専任教員が各回ごとに数種類の問題を作りアトランダムに各クラスに配布した。ただし、復習テストは各学科・クラスの特性も考慮に入れて各教員で作成することとした。以上のように授業内容の共通化を図っているが、このような形式的な統一だけでは共通した授業は保証できない。担当者全員の定期的な打ち合わせや、折に触れての情報交換(授業方法や学生対応など)によって調整を行うようにしている。3日本語検定の実施と結果3.1受検の状況日本語検定は、中部大学を準会場として平成23年度より全学挙げて実施されることになった。1年目春学期の当日の受検者は400名(2級50名、3級350名)、2年目の今年春学期は595名(2級44名、3級551名)である。受検者は「日本語スキルA」の受講者が1年目で約3分の2、2年目で8割強を占める。日本語検定は日本語のスキルアップの動機付けや学習効果の測定に意味を持つと考え「日本語スキルA」の各授業で受検を推奨していること、さらに中部大学後援会から受検料の一部が補助され学生の金銭的負担が軽減されていることもあって、多くの受検者を集めた。2年目になると日本語スキルの授業や日本語検定の認知度が高まってきたためか、受検者が大幅に増加した。400人~600人規模の検定試験を円滑に行うため、キャリアセンターを初め、各学科、各学部事務室など、まさに全学的な協力を得て日本語検定の実施が可能になっている2)。3.2合否の結果表2は、過去3回の日本語検定の合否結果である。認定率は2011年春が40.6%、2011年秋が25.7%、2012年春が54.8%と波がある。全国の認定率と照合すると、受検者全体の認定率が上下するのに合わせて本学の受検者も認定率が上下していることがわかる。本学の認定率は試験の難易度に比例しているものの、2012年春と2011年春はいずれも全国認定率よりもやや上回って―73―「日本語スキルA」1年目・2年目の実践報告図1「書くこと」「話すこと」の授業の進め方

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