中部大学教育研究12
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1.音節を表記する上での規則1)斉歯呼、合口呼、撮口呼に属する韻母が単独で音節を構成する場合(ゼロ声母)は、「y」または「w」で始まる表記に変更される。2)韻母「iou」「uei」「uen」が声母を伴った場合、「-iu」「-ui」「-un」のように中央の文字が脱落する。3)撮口呼は声母「j,q,x」に後続する場合、ならびにゼロ声母の場合、「u」は「u」と表記される。2.声調符号を付する上での規則4)「a」がある場合、必ず「a」の上に付ける。5)「a」がなければ、「e」または「o」の上に付ける。6)「a」「e」「o」がなければ、「i」「u」「u」のいずれかの上に付ける。7)「i」「u」「u」が共起する場合、後ろの文字に付ける。3.音節を構成する(複音節)上での規則8)後続音節に開口呼に属するゼロ声母の韻母が存在する場合、その音節の前に隔音符号(')を表記し、前音節の韻母との切れ目を明記する。9)固有名詞の場合は先頭の文字を大文字にする。仮に、上記の規則のみでデータベースを構築すると、音節に特化して語彙を抽出する場合、以下の問題が生じる。10)同一の文字で表記されていても、複数の異なる音を有する場合がある。10a)「zhi,chi,shi,ri」および「zi,ci,si」で使用されている「i」は[i]の音価を示すものではなく、前者の4音節は[S]、後者の3音節は[・]の音価を示している。10b)3)の規則によって、「u」の表記する音は[u]および[y]の音価をもつ。11)固有名詞で表記する大文字は、小文字と区別され、別の音価と判断される。以上の問題に対し、10b)の場合は、本来「u」で表記されている音節を「v」と入力することで「u」との混同を避けることができた。また、11)については、データベースを構築する上では、声母および韻母には小文字で入力し、語彙のピンインを表記する箇所、つまり検索結果で表示する箇所には一つずつ大文字に修正するという対応をした。これについては8)も同様の対応をした。10a)については、妥当な表記方法が見つからず、本来の音節の表記どおりに入力しているため、今後の課題としたい。現在、新漢語水平考試(新HSK)の級数による語彙の難易度を基に、データベースの構築をおこなっている。このデータベースを利用して、講義の空いた時間または講義時間外で語彙力検定のような試験をおこない、学生が進んで語彙力を増やしていける環境を作る一助になればと考えている。今後は、講義で使用し―46―和田知久・于小薇・伊藤正晃合口呼uuauouaiueiuanuenuanguengゼロwuwawowaiweiwanwenwangwengbbuppummuffudduduoduiduandunttutuotuituantunnnunuonuanlluluoluanlungguguaguoguaiguiguangunguangkkukuakuokuaikuikuankunkuanghhuhuahuohuaihuihuanhunhuangzhzhuzhuazhuozhuaizhuizhuanzhunzhuangchchuchuochuaichuichuanchunchuangshshushuashuoshuaishuishuanshunshuangrruruoruiruanrunzzuzuozuizuanzunccucuocuicuancunssusuosuisuansun

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