中部大学教育研究12
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強制しておらず、読んだことの証としてのサインのみでも問題ないが、概ね、学生に対するコメントを記述しており、学生は毎回、教員のコメントを楽しみにしているようでもある。このように、シャトルシートは、授業の理解度、学生と教員とのコミュニケーションのツールとして役立っている。Cumocの利用による災害に対する意識調査携帯電話を利用したアンケートシステムであるCumoc(ChubuUniversityMobileCliker)システムを利用して、図7および図8のように災害に対する意識調査も行っている。本システムは、授業中に結果を見ることができ、他の学生の意識や状況が共有できるので、グループワークを行う上でも有効な手段となっている。また、これまでの経験から、近年、災害に対する学生の意識が高まっている傾向も得られている。図7受講生の自然災害の経験図8受講生の自然災害に対する思い5おわりに2011年3月11日の東日本大震災を受けて、地震災害および津波災害の怖さを実感し、防災・減災に貢献したいと強く願う学生も多いと思われる。また、東海地方は、古くは伊勢湾台風による、近年では東海豪雨による水害に見舞われており、東海・東南海・南海地震およびそれによって生じる津波の災害の発生も懸念されている。そのような中で、防災・減災を軸とする教養を学ぶことは、災害国に住む日本人として極めて重要であり、また、これを踏まえて自らの専門への興味が高まれば、専門教育の導入という面からも有益であろう。さらに、この活動が地域防災力の向上の一助となることを期待したい。本グループでは、平成24年8月と9月に、GISセンターの協力を得て防災力向上に直接的に寄与することを目的とした、地域のハザードマップ作り、避難所運営ワークショップを実施した。これらの詳細は別の機会に報告したい。なお、今年度は初めての試みであり、住民のサポートを目的とする数名の学生参加のみであった。今後はこの活動に多くの学生参加を促して、地域のためにもなり、学生のためにもなるような教育的要素を取り込んだ活動に高めたいと考えている。最後に、本報告を通じて、皆様に「地域の防災と安全」の活動に関心を持っていただければ嬉しく思います。さらに、多くの教職員とタッグを組んで、継続的に活動できることを期待しています。参考文献1)内閣府防災情報のページ、南海トラフの巨大地震に関する津波高、浸水域、被害想定の公表について、http://www.bousai.go.jp/nankaitrough_info.html教授工学部都市建設工学科杉井俊夫教授全学共通教育部統括調整部門山田功夫教授工学部建築学科勅使川原誠司教授生命健康科学部保健看護学科牧野典子准教授工学部都市建設工学科武田誠准教授人文学部歴史地理学科渡部展也―31―特別課題教育科目「地域の防災と安全」の取り組みについて

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