中部大学教育研究12
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実習期間を問わずいつでも学生が実習に携わる人達と意見交換できる環境を整えることが有効であると考えられた。また、臨地実習を積み重ねていくことによって学生の知識や経験は統合されていくため、教員は全ての疑問を実習中に解決しなければならないと考えるのではなく、実習中に学生が様々なことに興味を持てるきっかけを与えることが大切である。後にそれが布石となり学びにつながり、学生自身の考える力を培うことができると考えられた。本研究の限界と今後の課題今回、インタビューに応じた学生は、小児看護に対して問題意識をもって参加したといえ、他の学生はどのように感じていたかは不明であり、一般化するには限界がある。今後の課題として、今回明らかとなった5つの困難のカテゴリーのうち、患児とのコミュニケーションの困難と、生命への影響が大きいと考えるケアに対する困難感を生じさせる頻度の高い患児の特徴を限定して学生を選択し、事例数を増やしていくことでより焦点化した学びのプロセスを明らかにしていきたい。また、本学科の小児看護学実習は2週間の受け持ち実習であることを強みとして、臨床側と連携しながら教育方法を検討し、学生の体験を有意義なものにしていきたい。本研究は平成23年度特別研究費(CP)教育研究の助成を受けておこなったものである。引用文献1)伊藤久美他:看護系大学における小児看護学実習の実態-安全対策、教員の負担や困難、実習評価について-,日本看護学教育学会誌,10(4),11-19,2001.2)光楽香織他:小児看護学における重症心身障害児(者)病棟実習の学習効果,帝京平成看護短期大学紀要第16号,67-73,2006.3)河内しのぶ他:コミュニケーションが困難な子どもとの相互作用における学生の実習体験,日本小児看護学会誌,13(1),11-17,2004.4)西田みゆき他:小児看護学実習での学生の困難感のプロセスと学生自身の対処,日本看護研究学会雑誌,28(2),59-65,2005.5)上淵寿:動機づけ研究の最前線,北大路書房,2004.6)秋元典子他:看護への動機づけを促進させる臨床実習指導の方法,QualityNursing,10(8),63-74,2004.―18―清水いづみ・畑中めぐみ・大村政生・山田恵子・石井真・山田知子・石黒彩子助手看護実習センター清水いづみ助教看護実習センター畑中めぐみ助手看護実習センター大村政生助教生命健康科学部スポーツ保健医療学科山田恵子講師生命健康科学部保健看護学科石井真准教授生命健康科学部保健看護学科山田知子教授生命健康科学部保健看護学科石黒彩子

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