中部大学教育研究11
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2方法2011年度のフレッシュマンキャンプは、2011年8月5日(金)から8月8日(月)の日程で行われた。調査は、2011年7月27日のフレッシュマンキャンプ直前ミーティング参加学生に実習前の調査を実施し、フレッシュマンキャンプ3日目(最終日前日)の8月7日に実習後の調査を実施した。調査は質問紙による集合調査法により、回答に同意を得た後に調査を実施した。調査項目は、属性に加え、今までのキャンプ経験回数、内山ら(2001)が作成した情動知能測定尺度(EQS:EmotionalIntelligenceScale)65項目を行った。この尺度は、自己対応、対人対応、状況対応の3領域からなり、各領域はそれぞれの下位因子から構成されている。自己対応領域は、「もっぱら自己の心の働きについて知り、行動を支え、効果的な行動をとる能力」である。対人対応領域は、「他者の感情に関する認知や共感をベースに、他者との人間関係を結び維持することのできる能力」である。状況対応領域は、「自己を取り巻く、あるいは自己と他者を含む集団を取り巻く状況の変化に耐える力、リーダーシップ、また自己対応領域と対人対応領域の各種能力や技量を状況に応じて適切に使い分ける統制力」である。回答方法は、各質問項目に対して「まったくあてはまらない」から「非常によくあてはまる」までの5件法で回答を求めた。また、フレッシュマンキャンププログラムへの意識調査として、実習前調査では「フレッシュマンキャンプで期待しているプログラム」をキャンプ内の各プログラムに順位付けし、実習後調査では「フレッシュマンキャンプで印象に残ったプログラム」と「仲間との交流が深まったプログラム」を各プログラムから順位付けを行った。3結果および考察3.1参加学生の属性参加学生は、工学部17名、経営情報学部2名、人文学部2名、応用生物学部15名、生命健康科学部4名、現代教育学部3名の計43名であった。実習前と実習後のEQSの回答結果、もしくはどちらかに不備のあった対象者を除き、男子26名と女子16名の計42名、平均年齢18.50歳(SD±0.55)の回答結果を分析対象とした。この集団のキャンプの経験回数は今回が初めてのキャンプ経験という0回から30回経験した学生までがおり、平均5.6回(SD±6.59)であった。3.2フレッシュマンキャンププログラムへの意識調査実習前調査での「フレッシュマンキャンプで期待しているプログラム」の結果は、有効回答41人中1位として最も多く挙がったプログラムから、「キャンプファイヤー」が15名(37%)、「花火大会」が10名(24%)、「登山」が7名(17%)、「穂高鍋づくり」が4名(10%)、「部屋での生活」が3名(7%)、「1日目のフリーティング」と「入浴」がそれぞれ1名(3%)の順であった(図1)。実習後調査での「フレッシュマンキャンプで印象に残ったプログラム」の結果は、有効回答42人中1位として最も多く挙がったプログラムから、「キャンプファイヤー」が28名(66.7%)、「登山」が8名(19.1%)、「最終日フリーティング」が4名(9.5%)、「花火」と「その他(全てのプログラム)」がそれぞれ1名(2.4%)の順であった(図2)。また、「仲間との交流が深まったプログラム」の結果は、有効回答42人中1位として最も多く挙がったプログラムから、「登山」が12名(28.6%)、「キャンプファイヤー」が7名(16.7%)、「ゲーム大会」が6名(14.3%)、「3日目フリーティング」が5名(11.9%)、「穂高鍋づくり」と「部屋での生活」がそれぞれ3名(7.1%)、「バスレク(バス内レクリエーションの略)」―76―伊藤守弘・西垣景太・佐藤枝里・栗濱忠司・山田公夫図1実習前「期待しているプログラム」図2実習後「印象に残ったプログラム」

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