中部大学教育研究11
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1はじめに(和田知久)中国語中国関係学科の中国語の授業を担当する教員は、一つの組織として、また個々の教員の関心と責任の下に、日々、中国語教育に対するさまざまな取り組みを行っている。その中の一つが、協定校である外交学院(北京市)との交流である。本学科は学科設立以来外交学院にて、毎年夏休みを利用した1年生全員の参加が必須の短期研修を行っており、本年は3度目の実施であった。それ以外にも、本学と外交学院の中国語の授業を担当する教員どうしの教学経験の相互交流にも力を入れている。北京夏期研修の実施に先立ち、クラス分けや授業内容、課外活動に至るまでを協議し研修プログラムを構築することはもちろん、研修期間中も主に学生の引率を担当する本学教員が、現地教員と綿密に連携することでより効果的なプログラム運営が図れるよう努めている。また、2010年12月には外交学院対外漢語教研室主任である姜倩氏を本学に招聘し、中国語教育についての研究討論会を開催することができた。本学科が外交学院と交流する目的は、単に北京夏期研修の実施を円滑にするためだけではない。北京夏期研修と本学での通常授業との連携のあり方を探り、そこで得られた成果や問題点を本学科の中国語教育システム全体へ速やかに、確実にフィードバックすることで、その一層の充実を図ることにある。以下に、中国語の授業を担当する本学科の専任教員によるそれぞれの取り組みを紹介したい。于小薇は、昨年、外交学院対外漢語教研室の教員を本学に招き開催した中国語教育についての研究討論会の際に行われた、姜倩氏による北京夏期研修に関する発表の主旨を紹介する。次に、伊藤正晃は、北京夏期研修に参加することで学生の発音がいかに変化したかについて、実験音声学的な見地から分析する。和田知久は、北京夏期研修の際、上級クラス「読解課」で使用された教材について分析し、さらに本学通常授業との連携の可能性について考察を加えている。宗は、自らが担当する1年生対象の中国語の通常授業における取り組みについて紹介する。2外交学院と中国語中国関係学科との北京夏期研修に関する分析―検討会の内容を素材に―(于小薇)2010年12月10日、北京外交学院対外漢語教研室の姜倩先生が来学される際、中国語中国関係学科の中国語教育担当者主催の研究会に参加され、外交学院における本学科学生の北京夏期研修について報告された。以下に、その報告の主旨を紹介する。2.1中国語中国関係学科北京夏期研修の現状2.1.1科目設定2009年から本学科の設立とともに、一年生全員が夏休み期間中、北京外交学院にて一カ月の中国語語学研修に参加することが義務付けられている。研修中の授業時間割は表のとおりである。―61―中部大学教育研究№11(2011)61-69中国語中国関係学科における北京夏期研修と通常授業との連携に向けた取り組み和田知久・于小薇・宗・伊藤正晃2009 201021 21 8/69/2 8/59/13 3 20 20 //8/8/4 8/8/4 4/4/2 4/4/2 2 2

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