中部大学教育研究11
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は理系ではないので、メーカーではない企業のほうがよい」という意見が見られた。これは尊重すべき意見のようにも思えるが、電気機器を作る企業には文系出身者は入る余地は無い(入るべきではない)、という誤解が背景にあるようである。企業で働くというイメージの深化が求められる部分である。最後の授業時間にキャリアセンターに依頼して行ったインターンシップに関する説明は、その後質問に来る学生があり、3年春のガイダンスへの出席者も多いなど、それなりの効果があったように思われる。授業内での実体験と、このような就職関連情報がどの程度うまく受講生の頭の中でリンクしているかは不明であるが、ある程度の方向付けにはなったのではないだろうか。昨年度から本学で開講されたキャリア教育科目の「自己開拓」(全学共通)などの授業では、シラバスなどで見る限り、社会人、あるいは人間としての基礎力を養成する方向であるように思われる。今回のように「学科で就職先と考えている業界や企業の研究をさせてしまう」という試みは、学科でできる独自のキャリア教育の一つといえるのではないだろうか。ただ今回の受講生の反応などを考えるならば、業界・企業研究よりも、それ以前に「働く」ということへの理解や、社会に関わろうとする意識など、人格や精神的な部分は確かに最も重要であるのかもしれない。謝辞本教育研究の遂行にあたっては、平成23年度中部大学特別研究費CP「中国語中国関係学科のキャリア教育とインターンシップの整備―学生による中部圏の中国関連企業研究を端緒として―」の一部を使用した。教授国際関係学部中国語中国関係学科澁谷鎮明教授国際関係学部中国語中国関係学科舛山誠一―59―中国語中国関係学科におけるキャリア教育の試み

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