中部大学教育研究11
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7おわりに実践的能力を身に付けた設計技術者を育成するために中部大学工学部が取り組んでいるCAD/CAM/CAE教育を紹介した。2007年度に工学部CAD教育施設の設備更新が行われ、ハイエンドな3次元CADの設計に加え、強度計算などの構造解析や数値シミュレーション、さらには機械加工、機能評価まで“ものづくり”の一連の工程を体験できる実習中心型の教育環境の基盤が整えられた。2008年度には、CAD/CAM/CAE教育の強化による“21世紀の社会からあてにされる実践的能力を身に付けた設計技術者”の育成を目指した工学部の取組み(計算機支援による実践型設計技術者の育成)が、文部科学省の質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)に選定された。この教育GPの補助金(総額26,505千円)によってハードウェア(高機能CAM装置や基板加工機など)とソフトウェア(構造解析ソフトや分子シミュレーションソフトなど)を充実するとともに実習補助員による指導体制を強化して、“最先端のコンピュータ支援による技術者教育”が展開されている。しかし、ICT関連技術は絶え間なく進歩しているため、常にPDCAサイクルを回し、社会のニーズを見据えた技術者教育を継続実施していかねばならない。なお、このような学部をあげての計算機支援教育は、工学を志す受験生へのアピールポイントとなって入学生安定確保に貢献し、社会が必要とする技術者に入学生を育成するための一助になるものと確信する。謝辞工学部の取組み“計算機支援による実践型設計技術者の育成”を質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)に採択し、支援頂きました文部科学省の方々、ならびに教育GP財政支援期間終了後も同等の体制でCAD/CAM/CAE教育を実施していくための経済的支援を講じていただいた本学関係者に深く感謝の意を表します。参考文献1)三次元CAD技術者協会http://www.3d-cea.com/outline.html(2011.9.1参照)2)CATIA-NAVI.JPhttp://www.catia-navi.jp/(2011.9.1参照)教授工学部情報工学科岡明彦准教授工学部機械工学科佐伯守彦准教授工学部工学基礎教室石鍋雅夫教授工学部電子情報工学科石井清名誉教授工学部都市建設工学科塩見弘幸教授工学部電気システム工学科後藤英雄教授工学部建築学科渡辺健治教授工学部機械工学科細川健治―41―計算機支援による実践型設計技術者の育成図15先端CAE実習図16授業評価ポイントの比較3.403.603.804.004.204.404.60200820082009200920102010CAD/CAM/CAE

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