中部大学教育研究11
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週には設計結果のプレゼンテーションとその指導を行っている。図11Capture入力画面(上)とPspice結果(下)5.4都市建設工学科基本製図(1年生春学期、必修)本授業では土木製図の基礎を学習する。製図の基礎を学ぶには、先ず手描きで製図方法を会得することが重要であると考えられているが、実社会の製図はすべてCADが使われており、卒業生に対するCAD操作のニーズが高いため、AutoCADを用いた実習が4週実施されている。コンクリート構造設計学(3年生春学期、選択)本授業までに学んだ材料、力学科目等の総合的な活用として、「コンクリート道路橋の設計」を課題に選び、設計の流れと考え方を習得することを目標としている。授業では、コンクリート橋の設計方法について講義した後、上・下部工の設計を行う。上部工の設計では、格子の設計計算ソフトとPC単純桁ソフトを用い、下部工の設計では、Excel等の表計算ソフトを用いて設計を実施する。さらにFRAME3Dソフトを用いてコンクリート構造の非線形解析の概要を習得する。部門創成A(3年生春学期、選択)本授業は、1年生春学期から行われている創成科目群の一つである。建設工学の主な分野である建設構造分野の課題に対し、解析的ならびに実験的な観点から積極的に取り組むための能力を養うため、以下の内容で授業を実施している。有限要素解析プログラムFEAPを用いて、様々な荷重が作用する鋼管、コンクリート充填鋼管柱、鉄筋コンクリート柱の変形挙動解析を行い、有限要素解析を体験するとともに手計算による結果と数値解析結果とを比較する。鋼構造設計学(3年生秋学期、選択)鋼橋自動設計ソフト(APOLLO鋼橋自動設計製図システム)を用いて鋼橋設計の流れとプログラム構成の関係を提示している。このソフトの使用により、橋梁細部の寸法の数値を変化させた場合の応力の変化を簡単に求めることができるため、適切な寸法を決定することができる。また、具体的な数値を扱うことによって設計プロセスをより深く理解することができる。部門創成B(3年生秋学期、選択)本授業では、堤体や盛土、地下構造物などの土構造物の設計における土中水の処理に関する知識を身につけることが目的で、受講生自らが設定した境界問題に対して、飽和・不飽和浸透流解析ソフト(HYDRUS2D)を用いた浸透解析シミュレーション実験を行っている(図12)。5.5建築学科建築学科では、主にデザイン系および工学系の授業の中でCAD/CAM/CAEに関連する高度なコンピュータ利用による教育が実施されている。1年生秋学期に開講される建築CAD演習において、2次元および3次元CADソフトの利用方法について技術的な教育が行われ、上級学年の作品制作へとつなげている。また、工学系の中の環境・設備系の授業では、例えば壁体内の温湿度分布をコンピュータ・シミュレーションによって推定するという、目に見えない物理現象を理解し設計へと展開するためにコンピュータが利用されている。5.6工学部共通科目応用化学科や情報工学科のように設計製図を専門としない学科の学生も対象としたCAD/CAM/CAE教育が、工学部共通科目の範疇で実施されている。―39―計算機支援による実践型設計技術者の育成図12飽和・不飽和浸透流解析ソフトを用いた浸透解析シミュレーション実験

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