中部大学教育研究11
45/134

識を活用して設計計算を行い、AutoCADを使用して計画図と部品図を作成する(図7)。なお、設計計算の過程で軸受けやVベルトなどの購入部品の選定を行い、JISに基づく部品の選定方法なども学習する。コンピュータ応用工学(3年生秋学期、選択)本授業では、有限要素法の考え方を説明した後、剛性解析、流体解析、熱伝導解析、機構解析などの講義と実習を行っている。解析用ソフトウェアは数値計算を行う道具であるため、設計技術者はその道具が出した答えの正否を判断できる能力を身に付けていなければならない。そのため、卒業研究を除くすべての必修科目を履修した学生を受講対象とし、機械創成実験ですでに行った実験結果をSolidWorksに組み込まれているCOSMOSWorksによる解析結果と比較検討して、材料力学や機械力学などの講義科目、機械創成実験および数値解析を総合的に理解することを目指している(図8)。総合機械工学(3年生夏季集中、選択)本授業では、統合型3次元CADのCATIAV5を用いて複雑な形状のモデリングとアセンブリを学習し、授業科目「CAD/CAM」の内容よりさらに高度なCAD技術を習得する(図9)。5.2電気システム工学科論理設計と“ものづくり”を結びつけることを主眼として、卒業研究や個人的課題などで基板加工機を用いた以下の回路製作を実施している。●高校生に電気現象を説明するための教材として、LED点滅回路およびLEDの発光でわかる充・放電回路を作製する。●電気自動車駆動用あるいはLED照明駆動用電源回路を設計・製作する。図10基板加工機を用いて作製した回路の例5.3電子情報工学科3年生秋学期に開講される創成実験において、OrCADの中のCaptureとPSpiceを用いた電気・電子回路設計の教育が行われている。OrCAD(PSpice)に関する教科書は多数出版されているが、電子情報工学科の学習教育目標で目指す回路設計を学習するのにふさわしい教科書が見当たらない。このため、OrCAD使用法をわかりやすく記載したテキストが大学院生と協力して作成され、創成実験の授業で使用されている。創成実験では、全15週の講義のうち最初の3週分で作成したテキストを用いてOrCADの基礎的な使用法を習得させ、その後、学生各自に興味ある回路を選択させて、10週分でその回路の動作確認、特性把握および特性向上について検討させている。質問やエラーの対処については、教員とティーチングアシスタントが個々の学生と議論して解決するようにしている。最終―38―岡明彦・佐伯守彦・石鍋雅夫・石井清・塩見弘幸・後藤英雄・渡辺健治・細川健治図7機械設計製図Bで扱うCAD図面図8学生が取り組んだCAEの結果図9CATIAV5による3次元CADモデル

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る