日本語日本文化学科パンフレット
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「玉」とは美しい宝石のことを指し、「玉のような」は「美しい、立派な、大切な」という意味になります。この言葉は男の子にも女の子にも使えるものです。江戸時代、ずらりと並んだ歌舞伎役者の看板の二枚目に色男役の人気若手役者の名前が書かれていたことからいわれるようになりました。ちなみに三枚目に書かれていたのは道化役の名前でした。母語というのは言語学の用語で、生まれ育つ時に両親や周りの人が使っている言葉を指し、母国語というのは政治的な用語で、自分が所属する国家の言語という意味です。日本国内や海外で日本語を外国語として学ぶ人たちを日本語学習者といいます。日本語学習者の多い国は、韓国、中国、インドネシア、オーストラリアで、貿易など日本との交流が盛んな国々が上位を占めています。「ゆく」も「いく」も奈良・平安時代から同義で使われています。室町時代を過ぎるまでは「ゆく」が一般的で、特に和歌などでは「ゆく」が圧倒的に多く、逆に平安時代の和文系(源氏物語など)では「いく」の例もかなり見られます。結論は、どちらも正しく、間違いではありません。「たそがれ」は古語の「誰そ彼」(誰だあれは?の意)からきていて、人の顔が見分けにくくなる時間(夕方を指すことが多い)をいいます。かわたれ時(彼は誰?の意)は、明け方の時間を指すことが多いようです。一般的には「夜這い」と書き、夜、恋人のもとに忍び込むことと理解されていますが、本来の語義は「呼ばう」、つまり相手の名を呼び続けることです。古代の人々は言葉に宿る霊力の存在を信じ、相手の名を呼び続けると、その霊力によって相手の霊魂を招き寄せられると考えたようです。新聞や雑誌などで一般によく使われる漢字として国語審議会が一九八一年に制定したのが常用漢字です。これは漢字使用の目安であって制限ではないため、強制力を有するものではありませんが、小中学校を通しての義務教育の国語で習う漢字となっています。一般的には「夜這い」と書き、夜、恋人のもとに忍び込むことと理解されていますが、本来の語義は「呼ばう」、つまり相手の名を呼び続けることです。古代の人々は言葉に宿る霊力の存在を信じ、相手の名を呼び続けると、その霊力によって相手の霊魂を招き寄せられると考えたようです。2

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