国際学科パンフレット
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16和田 知久現代の中国の文学作品を読んだことはありますか? 例えば、1980年代の中国文学には、登場人物を番号で表した作品や、頭に浮かんだ単語を羅列したようなものなど、実験的な文体が登場したりしました。難解な作品もありますが、パズルのように読み解くと、主人公が日常の些末な出来事や愛などさまざまな問題に直面し、望ましく生きようとあがく姿が見えてきます。その姿は私たちと何ら変わりはありません。一見、我々とは違うように思える中国の人たち。でも同じ時代に生きていて、同じように悩み葛藤している。そんな共感を味わってほしいと思っています。中国文学に描かれた、現代人の生き方。悩んであがく姿は、私たちと同じ。中国現代文学中国語教育文芸と社会、アジア研究入門、資格中国語 ほか最終学歴専門分野授業科目大阪外国語大学大学院言語社会研究科修士(言語・文化学)准教授WADA Tomohisa「バッシライン」、どこの国の言葉でしょうか。正解は「忘れられない」という意味の南琉球方言です。日本には、お婿さんを5メートルの崖から積雪の上に投げ落としたり、イソギンチャクや猫を食べる風習があったりします。なぜお守りを持つのか、なぜ占いを信じてしまうのか、そもそも神様ってなんだろう? というように、私たちの身の回りには、説明できない事柄があふれています。実は世界各地で新郎新婦に試練を与える習慣があるなど、当たり前の日常に向けた好奇心はやがて世界へと広がり、色鮮やかな発見をもたらすでしょう。たくさんの「なぜ」が持つ意味を日本、そして沖縄から共に考えましょう。日本を知れば、世界が見える。身の回りの日常にときめく発見を重ねよう。平井 芽阿里HIRAI Meari文化人類学、民俗学、日本・沖縄地域研究スタートアップセミナー、生活環境と人間、民俗学入門 ほか最終学歴専門分野授業科目立命館大学大学院文学研究科博士(文学)准教授ドイツ人の私が日本社会研究のために来日したのは1987年のこと。高校生の皆さんが生まれる前から、私は日本を研究しているのです。当時は管理教育が盛んで、高校生は厳しい校則で縛られていましたが、90年代に入ると社会の価値観が激変し、極端な反管理教育の傾向も現れて、着崩した制服で街を歩く高校生が目立つようになりました。実は、こうした価値観の変化は、欧米諸国でもほぼ同時期に起きています。両者には共通点もあれば相違点もある。世界に関心があるのならぜひ日本理解も深め、自国と比較しながら世界を見る目を養ってください。日本社会をもう一度見つめなおし、自国と比較しながら世界を捉える視点を。ウルリッヒ・メーワルトMÖHWALD, Ulrich社会学ヨーロッパから学ぶ、社会学、社会調査法 ほか最終学歴専門分野授業科目フィリップス大学社会科学部社会学研究科・非西洋言語文化学部日本研究科 修士(社会学・日本学)教授羅 立新昆虫の多くは数百から数万個の個眼からなる複眼を持っています。そのため、周囲の環境をもれなく立体的に捉えることができ、正しい情報に基づいて瞬時に判断し、適切な行動を取ることが可能になります。人間の視野は複眼を持っている昆虫ほど広くありませんが、複眼的に考えることができれば、知識や考え方の幅の広い視野を持つことができます。私たちは住み慣れた地域をなんとなく知っているつもりでいますが、実際には知らないことが多くあります。より住みやすいようにするためにはどうすればよいのか、国際比較をしながら考えてみましょう。LUO Lixin時空の軸で国際比較を通じて身近な地域づくりのあり方を複眼的に考えてみよう。財政学、地方財政論、公共政策論、中国経済論国際公共政策論、グローバルビジネス論 ほか最終学歴専門分野授業科目横浜国立大学大学院国際社会科学研究科博士(経済学)講師スマートフォンなどに不可欠な各種レアメタル。その埋蔵量トップ10に居並ぶのは、すべてアフリカの国々です。いわば、情報産業の未来はアフリカが握っているのです。私たちは、アメリカやヨーロッパといった“日の当たる国や地域”に目を奪われがちですが、今後の世界を考えるには、アジア、アフリカ、ラテンアメリカといった“これまで日が当たってこなかった国や地域”にこそ、目を注がなければなりません。「国際」の名がつく学部は多いですが、欧米に偏ることなく世界を丸ごと捉えるのなら、中部大学の国際関係学部だと自負しています。アフリカ、アジア、ラテンアメリカも含め地球を丸ごと捉えられる学部へ。WAZAKI Haruka社会人類学アフリカ地域研究アフリカから学ぶ、比較地域研究論、フィールドワーク論 ほか最終学歴専門分野授業科目慶應義塾大学大学院社会学研究科博士(社会学)教授和﨑 春日ハワード・ケン・ヒガアジア・太平洋地域において、いま日本が直面している重要な問題について考えてみませんか。例えば、沖縄と日本本土との関係、ハワイとアメリカとの関係。この2つの関係を比較・研究していくと、地域社会とグローバル社会において日本が直面している、重要な社会的・政治的役割が浮かび上がってきます。これまで皆さんが体験したことのない新しい学習方法を通して、世界を見、地域と世界の問題に向き合いましょう。 それはこの日本で暮らすあなた方の、アイデンティティをよりしっかりとしたものにするでしょう。HIGA, Howard Ken実践的な英語力の習得と多文化比較研究から見えてくる、アジア・太平洋地域における日本の役割。社会学英語教育学国際英語、国際応用演習、ハイブリッド・プロジェクト ほか最終学歴専門分野授業科目ノッティンガム・トレント大学国際関係学研究科博士課程修了教授

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