GLOCAL vol.15
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16 第11回教員研究会が2019年7月24日に開催された。 今回は、まず言語文化専攻の武藤彩加教授が「日本語のおいしさ表現と共感覚」と題するテーマで発表した。「やわらかい味」とか「黄色い声」のように、ある感覚を形容する表現が別の感覚の形容に用いられるケースは「共感覚的比喩」と呼ばれるが、武藤教授はその中でもとくに「おいしさ」(および「まずさ」)に関する表現をとりあげ、豊富な用例の緻密な分析と英語や韓国語など他言語との比較を通して、日本語のもつ特色をあざやかに浮かび上がらせた。 次に歴史学・地理学専攻の佐々井真知准教授が、「「外国人」から考える15世紀のロンドン」というテーマで発表した。現在のヨーロッパでは移民問題が大きな問題となっているが、佐々井准教授は15世紀のイングランドにもすでに多くの「外国人」が流入していたこと、特にロンドンの金細工師ギルドに少なからず「外国人」が含まれていたことに注目し、当時の規約集や議事録・会計簿などの資料を調査しつつ、彼らが社会にどう受け入れられていたのかを綿密に検証した。 いずれも明確な問題意識に裏付けされた興味深い研究発表であり、出席した教員との質疑応答も活発におこなわれた。第11回教員研究会を開催

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