GLOCAL Vol.4
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2国際人間学研究科の歩み教育理念と教育目標 中部大学は、2014年に開学50周年を迎えます。1964年の開学以降、新学部、新研究科がつぎつぎに設置されましたが、国際人間学研究科は、この研究科が設立された際に基盤となった学部、すなわち中部大学の国際関係学部と人文学部に所属するスタッフを中心に設けられ、今日に至っています。 その歴史を振り返りますと、まず、1984年に中部大学に設置された国際関係学部を基礎として、1991年に前身である国際関係学研究科・国際関係学専攻が設けられました。国際関係学研究科は、その後、1998年に設立をみた人文学部と既設の国際関係学部を基礎とする新たな研究科組織、すなわち現在の国際人間学研究科へと引き継がれます。それは2004年のことで、この新研究科の設立にともない、先行する国際関係学研究科は2009年に廃止されました。 国際人間学研究科は2004年の設立当初、国際関係学、言語文化、心理学の3つの専攻によって構成されていましたが、人文学部に歴史地理学科が設けられたのにともない、2008年には歴史学・地理学専攻が4番目の専攻として加わりました。20世紀末から21世紀初頭にかけて設立され拡充をみてきた本研究科は、東西冷戦体制が崩壊してグローバリゼーションが本格化していくまさに激変の時代に生まれ、その歩みを開始したといえます。 本研究科の教育理念は、人類社会が抱える種々の課題を統合的に把握する視点と方法を見いだす点にあります。やや抽象的ですが、グローバル社会を多面的に理解し、問題解決の糸口を見出すことを使命と考えます。「国際人間学」という旗印の下、民族・国家・人間環境に関わる諸問題に立ち向かい、国際社会の繁栄と文化共生のための道を追い求めます。人文科学と社会科学という、科学の中でも学問的蓄積が比較的多い研究分野を拠点に、政治・経済・文化・環境の諸要素が複雑に絡み合うグローバル社会を生き抜く道を幅広く探っていきます。 こうした教育理念に近づくために、本研究科は、国際社会を人間らしく生きていける人材、社会の平和と持続的発展に貢献できる人材を育成するという教育目標を掲げます。そのための方法として、人文科学と社会科学を基盤とする国際人間学の領域において主体的に学び、修了後は社会で幅広く活躍できる人材を育てるのにふさわしいカリキュラムと指導体制を用意しました。国際人間学は、グローバル社会で今後ますます重要度を増していく学問です。国際人間学研究科は、高度専門職業人や研究者の育成を通して社会からの要請に十分応えられるよう、教育・研究の両面で努力を致します。国際人間学研究科の歩みと教育の理念・目標、人間学れます。それこの新研究科の設る国際関係学研究科はた。人文科学と社会科学という的蓄積が比較的多い政治・経済・文複雑に絡会をに究科は、く生きていけと持続的発展に貢するという教育目標を掲方法として、人文科学と社会際関係学部を基礎として、国際関係学研究科・けられました。その後、人文こんな人材を育てたい -各専攻の教育目標-国際人間学研究科の4つの専攻では、それぞれ以下のような人材の育成を教育目標として掲げています。国際関係学専攻言語文化専攻心理学専攻歴史学・地理学専攻博士前期課程① 政治、経済、社会、文化に関する知識をもとに、国際協力、社会開発、平和構築、地球環境などの現代的諸課題に対して幅広い視野から取り組むことのできる専門的職業人② 多様な人類文化・社会や民族・国家がもつ社会文化的特性の普遍性と特殊性に配慮しながら国際的に活躍できる専門的職業人① ジャーナリズム、英語圏言語文化、日本語日本文化の学問的領域で独創的研究を成し遂げ、学術的に貢献できる専門的職業人② 日本語、日本文学、日本文化の知識・理論を修得し、教育・学芸などの分野で活躍できる専門的職業人① 教育心理学、認知心理学、社会心理学、発達心理学、臨床心理学、障害児心理学などの分野で社会的に貢献できる人材② 学校心理学を中心に専門的知識をもとに教育現場で幅広く貢献できる人材① 世界的スケールで展開されてきた歴史的事象や日本国内において歴史的に繰り広げられてきた現象をよく理解し、社会や教育の場で生かせる専門的職業人② 様々な地域的スケールで生じている社会、経済、文化的現象を空間的に理解でき、それを社会や教育の場で生かせる専門的職業人

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