GLOCAL Vol.3
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2013 2013 Vol.3Vol.32013 Vol.32013 2013 Vol.3Vol.32013 Vol.37ンティア・まちづくり実践活動の経験を買われ、地元企業へ就職する。 数年後に職場結婚した彼女は、学生時代第2の故郷のように愛着を持ち、高齢者との人脈をつくった高蔵寺ニュータウンに新居を構える。その頃には、仮説だが、現代教育学部が大学近辺に開設しているかもしれない中部大学付属幼稚園(または保育園)にこどもを預けて働き続ける、あるいは、子育てのために最初の職場を辞めた場合でも子育て中に中部大学のエクステンションセンターあたりが企画してくれるであろうキャリアアップ講座で様々な資格講座を受け、子育て後は、再びキャリアウーマンとして働き始める。大きくなった子供は、めでたく(!?)中部大学に入学、親子二代で中部大学でお世話になり、かつ中部大学を盛り立てていくというシナリオである。今後大学とコミュニティが学生支援の視点から実質な補完関係を構築できる、コミュニティの核となることを願っている。参考文献広井良典(2011)『創造的福祉社会―「成長」後の社会構想と人間・地域・価値』ちくま新書広井良典(2009)『コミュニティを問いなおすーつながり・都市・日本社会の未来』ちくま新書(注)紙幅の都合で、ここでは取り上げていないが、筆者が関わっているフィリピン女性たちの助け合いネットワーク(SALVIFIC)は、高蔵寺ニュータウンを中心に高齢者との交流を行っている。役割がさらに注目されることになるようだ。 高齢者をケアする場所として、病院のような専門的な医療施設と補完的な役割として地域コミュニティがあるのではなく、もっと積極的な意味で、病院と対等かそれ以上の役割をコミュニティが担うといい、その研究領域は「ケアの科学」(広井)と呼ばれている。確かに、高齢者ケアといっても、外部から新しく移住してきた住民の春日井市東部の高蔵寺ニュータウン地域と歴史的に人間関係の濃密な春日井市西部の勝川商店街地域とでは、高齢者ケアのあり方は違ってくるにちがいない。つまり、高齢者福祉のありかたを、場所を超越して普遍的にとらえるのではなく地理的、空間的な視点を導入することが重要になってくる。 経済成長期の国家社会においては、世界は単線的な市場経済の時間座標のもとで地域は位置づけられてきたが、成熟化、定常化の時代に置いては、「成長」を尺度とする座標軸ではなく、地域の風土的多様性が再認識され、再評価されることになる。そこでは福祉を土地の歴史や風土的特性、人と人との関係の質、コミュニティのあり方そのものの中に埋め込む作業が重要になってくるである。ここでは、高齢者のケアの場所としてのコミュニティとその担い手としてのフィリピン女性(注)と中部大学の女子学生たちの可能性に注目したい。中部大学がこれから立ち上げようとしているCOC(地域拠点大学)プロジェクトと高蔵寺ニュータウンのキャンパス化への構想をもとに、現在生命健康学部を中心に高蔵寺の高齢者と中部大生の交流が行われているが、以下の図は女性のライフサイクルの視点から国際関係学部の女子学生たちによる高蔵寺ニュータウンと大学をベースにした女子学生のライフサイクルをモデル化したものである。 仮に女子学生の名前をTさんとすると、Tさんは、入学して、大学の協力を得て、高蔵寺ニュータウンで友人とルームシェアをする。大学と高蔵寺ニュータウンで開催される講座で学び、活動する。ニュータウンでボラグローバル金融市場市場経済(自由・競争)非営利(利潤)的経済計画経済(調整・統制)生命流域自治・直接参加地産地消作成 古沢広祐加筆修正 羽後 『サステナブル ウエルフェア ソサエティ』 「環境・持続社会」研究センター 2004年共・ボランティア、NGO/NPO・コモンズ(共有管理)・相互扶助(無償労働)私(企業)公(行政)・国連・国家・地方自治体・多国籍企業・国内企業・コミュニティー起業日本型第3セクター市民事業コミュニティートラスト協同組織中部大付属幼稚園(?)に入園する娘結婚して娘が生まれて、高蔵寺ニュータウンで暮らす私卒業して、キャリアウーマンとして働く私高蔵寺ニュータウンで学び・活動する私2013年度チャレンジサイトプロジェクト『地球がキャンパス・国際女子力up!のための教材づくり』より抜すい子育て後にグローバルに活躍する私成長して中部大に入学する娘中部大入学、高蔵ニュータウンでルームシェアする私子育て中に中部大でキャリアアップの講座を受ける私中部大女子学生ライフモデルstart

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