GLOCAL Vol.2
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2013 Vol.22013 Vol.217間との連帯感を体験することは、子供にとって有意義なことである。鬼頭氏の言葉を借りれば、地域文化は人々の心を繋ぎ止めるものであり、地域を再生するものであるといえよう。 しかし、次代を担う子供たちが、地域文化、特に民俗芸能に接する機会は少ない。広報活動が必要となるが、保存会では限界がある。不況下の緊縮財政のため、自治体は民俗芸能の助成に消極的なきらいがあるが、愛知県では、国、県及び市町村指定の無形民俗文化財等を公開する「愛知県民俗芸能大会」を昭和48年度から開催している。平成24年度は、「あいち地域文化創造戦略」(平成23年度策定)を推進する事業の一環として「あいちの伝統文化まつり」(平成25年1月27日)という名称で開催され、蟹江町の「須成祭り」、蒲郡市の「三谷祭」、半田市の「半田春の山車まつり」、刈谷市の「万燈祭」の芸能が披露された。会場の刈谷市総合文化センター大ホールはほぼ満席の状態であったが、民俗芸能の愛好者やそれぞれの祭りの関係者が多かったように思われる。こうした文化の継承には、文化財指定の有無に関わらず、地元において地域住民に直截参加を呼びかける場が必要であろう。 東日本大震災以来、人と人との絆の大切さが再認識された。住民同士であれば、地域文化がそのよりどころとなる。どのようにしたら地域文化に関心を持ってもらえるか。この問題に対処するには、市町村、自治組織、祭礼組織、保存会が、後継者育成のためにも教育の現場と連携することが有効であり、それらの関係が維持されることが、今後の地域の活性化につながってゆくものと考えられる。写真6 質疑応答風景写真7 あいちの伝統文化まつり(1)(平成25年1月27日)写真8 あいちの伝統文化まつり(2)(平成25年1月27日)写真9 あいちの伝統文化まつり(3)(平成25年1月27日)

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