2018年度秋学期開講科目
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科目名フィールドワーク論科目名(英訳)Fieldwork Methods科目ナンバーNA335A01詳細情報担当者(非)は非常勤講師和崎 春日単位数2開講学年2年開講セメスター秋期毎週対象学科 選択・必修必修:選択:NA他学科受講履修順序・履修情報担当者及び時間割カリキュラムの中での位置付け学科専門科目の「多文化共生科目」として配置されている。身につく基礎力傾聴・受信力 クリティカル思考力授業の主旨(概要)文化人類学は、比較文化の学である。本授業は、文化人類学の考え方の基本のなかの基本を学ぶ授業である。私たちが住んでいる産業発展した「北側」社会ではない社会からむしろ積極的に学んで、われわれの社会と比較し、活用する。そのために、文化人類学は、他(異)文化をフィールドワークする。他文化というのは、地球の「南側」世界、発展途上国、「未開」社会、新興国の文化のことであり、世代で言えば幼少や壮老の中核世代ではない「おばあちゃんの知恵袋」であり、辺境やストリートや貧困地や金持ちではない民衆文化のことである。欧米を学ぶならニューヨークの「黒人」街やパリのイスラーム街を含んで欧米を学ぶ。日本なら、福島や阪神淡路や熊本への視点をもちながら、発展した東京・大阪を学ぶ。他文化に住み込んで、そこにある合理性、科学性をすくい上げる。具体的達成目標目標は、異文化の知恵やわれわれと異なるシステムを知って、そこから学び、私たちの文化を照らす反省材料としていくことである。貧しくてもマイナーであっても、その知恵をわたしたちの社会に活かしていけることを知ることが、目標である。フィールドワークして比較文化を行うとき、可能な限り「南側」社会の人びとの視線に「寄り添う」。その際、他者や他文化を対象とするというのは、どういうことか。それは可能か。また許されるのか。他者・他文化をフィールドワークして学ぶ姿勢、倫理、スタンスを問うことになるだろう。主に私のアフリカ社会のフィールドワーク体験を中心に、比較文化をめぐる実践と考え方・理論を説明する。しかし、そのことはアフリカを例にとって語っても、世界各地の文化と交流・接触するときに、必ず役立ちうることを確認することが、具体的目標となる。そして、日本社会にはあまりみられない他文化の行動様式や価値観にある「科学性」の発見から、私たちの行動がほんとうに「正しい」のか、「これで足りる」のかを問う。その結果、日本や日米欧など「北側」社会(developedsocieties)の「南側」社会(developing societies)へのかかわり方を問うことになる。そして最終的には、南北をめぐる「開発」、援助、協力、外交、NGOのあり方などを問うことが、目標になるだろう。1【内容】1.文化人類学がめざすもの―偏見と固定観念を乗り超える【授業外学習】「すっかり、これだけが正しい」と思っていたことを列挙しよう2【内容】2.他文化フィールドワークの考え方-「未開」や「発展途上」国の文化は「劣って」いるのか【授業外学習】貧乏地域の深い知恵、被災地域の高い志を確認しよう3【内容】3.他文化フィールドワークによる比較文化-「未開」と文明【授業外学習】「未開」って何なのさ?整理しよう4【内容】4.他文化フィールドワークによる比較文化-文化比較と文化接触【授業外学習】世界は結構つながっていることを確認しておこう5【内容】5.比較文化の方法と人類学の分野―文化人類学(他民族フィールドワーク)と民俗学(自民族フィールドワーク)【授業外学習】国際比較と国内比較を整理しておこう【内容】6.文化は何のためにあるのか-個人に焦点をあてたフィールドワーク97 フィールドワーク論-206 -

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