2018年度秋学期開講科目
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科目名現代思想科目名(英訳)Modern Thought科目ナンバーHI129B01詳細情報担当者(非)は非常勤講師上倉 庸敬(非)単位数2開講学年2年開講セメスター秋期毎週対象学科 選択・必修必修:選択:HI他学科受講履修順序・履修情報類似科目情報あり担当者及び時間割カリキュラムの中での位置付けコミュニケーション学科専門教育科目の中の関連科目として位置づけられる。関連科目は, 教員免許などの資格取得に必要な科目群である。本講義は, 教員免許取得に必要な「教科に関する科目」のうちの科目区分「哲学, 倫理学, 宗教学, 心理学」(「公民」[高校]), および科目区分「哲学, 倫理学, 宗教学」(「社会」[中学])に属する科目の1つである。身につく基礎力課題設定力 クリティカル思考力授業の主旨(概要)いま「考える」ことには、どういう意義があるでしょうか。そのことをゆっくり、順序正しく明らかにしていけば第一に、じぶんが何ものであり、何ものでありうるか、何ものでなければならないかを知ることができるとおもいます。なぜなら「いま考えている」当の人間が、じぶん、「わたくし」だからです。自然科学とテクノロジーが発達して、「考える」ことはなにをどれだけ「できるか」という実用性から評価されるようになりました。実用性は20世紀のふたつの大戦で自己破壊と道徳崩壊をもたらしました。その空虚を埋めるものが厖大な情報であり、それを操作する政治と経済のおしゃべりです。政治と経済はわたくしたちの理解ではなく、感化と賛同さらに服従をもとめることが多いので、その影響が教育におよぶと、教育は時によっては共通の解答をみちびくための技法をひろめる場となりはて、さらに学生諸君はじぶん自身のことさえ高価に売り出されるべき商品と見なしてしまうことも起こりえます。わたくしが何ものであるか、何ものでありうるかを自由に、思う存分に考える、そのことの理解を深め、設問を解いて訓練を積み、問いに対するわたくし自身の解答へ一歩でも近づくこと、それがこの授業の目的です。具体的達成目標1)現代以前の「ものの考え方」にはどんなものがあったか、その基本を知ることができる。2)現代世界の主な「ものの考え方」はどんなものであるか、その基本をしることができる。3)過去・現在の「ものの考え方」から、どれかを選ぶのではなく、「考える」ことそれ自体の大切さを知ることができる。4)「いまのわたくしが考えるべきこと」という課題をみずから設定することができる。5)設定した課題を、基本概念をしらべて、みずから考えていくことができる。6)じぶんが真に直面している課題をみずから明らかにすることができる。7)じぶんが何ものでありうるかをみずから考えることができる。8)じぶんが何ものであるべきかをみずからに問うことができる。1【内容】第1回 幸せでありたいと願うことについて、あるいはソポクレス「オイディプス王」その1。古代ギリシャの悲劇「オイディプス王」の主人公は、生まれてすぐ両親に棄てられ、じぶんでは気づかぬうちに父を殺し、母と結婚している。人間が運命に翻弄されるその芝居を見て、人間が幸福になる条件について考える。【授業外学習】1)古代ギリシャの人々が、人間とその世界について、どう考えていたかを調べる。2)自然学者とよばれる人々、ソクラテス、プラトン、アリストテレスについて調べる。2【内容】第2回 人間とその世界について、あるいはソポクレス「オイディプス王」その2。前回にひきつづき「オイディプス王」を見ながら、古代ギリシャで、人間をかこむ世界がどのようにできたと考えられていたかを調べ、それを基に人間と世界の関係を考える。【授業外学習】1)プラトンの「ティマイオス」、「饗宴」などに記される世界創造のミュートス(神話)など、さまざまな時代と地域における世界創造の神話、伝説、物語を調べて比較する。2)世界創造をめぐる物語のなかで、造物者と世界と人間の関係を調べて、比較する。3【内容】第3回 人間とその身体について、あるいはJ.A.D.アングル『トルコ風呂』(1862年)。画家のアングルが晩年に描いた『トルコ風呂』はトルコのハーレムで湯浴みする女性たちを描いた絵画である。ルーヴルにあるその絵画に関するビデオを見ながら、人間の身体について考える。その過程で、描かれた絵の意味、また絵を描く意義について考える。74 現代思想-156 -

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