工学部パンフレット
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5創造理工学実験教育科創造理工学実験目  的授業内容基本的な実験や工作を通して「ものづくり」を体験し、技術者として必要な基本理念、基礎知識、基礎技術を学びます。世界に通用する確かな技術を身につけ、先端技術に挑戦できる人材の育成をめざします。確かな実践力に必要な基礎を、一年間で集中的に学習します。授業風景色々なテーマの実験に触れて、ものづくりの基本を学びます。これまで中部大学では、およそ35年にわたって、工学部の1年生を対象とした独自の実験教育システムである「工学基礎実験」を実施してきました。実験と実習、演習、講義を有機的に結合した 「工学基礎実験」 は、卒業生や大学院生からはもちろんのこと、社会や国内外の教育機関からも理工系教育のシステムとして高い評価を受けてきました。一方で、近年の急速な少子化と大学進学率の上昇により、中部大学工学部に入学する学生も多様化してきました。そこで私たちは、多様化した学生に対応するために、「工学基礎実験」の基本的な思想を継承しつつ、更に発展させた「創造理工学実験」をスタートさせました。「創造理工学実験」は、それまで物理実験・化学実験といった「実験」の体験や、「工作」などの「ものづくり」の体験が少ない学生でも、工学部の初学年生として必要な経験を十分に積むことができる教育システムとなっています。自分で「もの」をつくり、それを測ることにより、実験の楽しさを味わいながら、技術者として必要な基本理念・基礎知識・基礎技術を学びます。工学部は我が国の将来を背負って立つ技術者を育てるところです。技術の実践は「ものづくり」であり、技術者になるためには、「ものづくり」にふさわしい人材である必要があります。「ものづくり」にふさわしい人材になるためには、単に知識や技術を修得するだけでなく、それ以上に「物事の真理を知りたいという意欲」、「技術を役立てたいという意欲」、「新しいものをつくりたいという意欲」などのさまざまな「意欲」に満ち、さらには「技術者としてふさわしい人格」を形成する必要があります。加えて技術者として、「正確な知識」、「正確な技術」、「正確な表現方法」など、さまざまな事柄について「正確さ」をも備える必要があります。創造理工学実験教育科では、多くのテーマ実験を通して、未来の技術者に必要な「意欲」と、技術者にふさわしい「人格」を持ち、「正確さ」を備えた、「ものづくり」にふさわしい人材の育成をめざすとともに、さまざまな物理現象を、自分の手で再現し、もしくは自分の目で観察し、そして現象の背後に潜む真理を、自分の手で触れ、頭で考え、判断する力を持った人材を育成します。春学期に実施する「創造理工学実験 I」は、初歩的な実験や工作(単にものをつくるのではなく、それを用いた測定、記録、分析、考察)を通して、実験やものづくりに慣れ親しんでもらうよう工夫した授業です。実験や工作の経験豊富な学生はもちろん、その経験が少ない学生でも、基礎的な実験の作法を学ぶことができます。秋学期に実施する「創造理工学実験Ⅱ」では、一人ひとりの学生が各理工学分野から実験テーマをいくつか選択し、実験に関する一連の流れ(「何のために実験を行い、そこから何を導き出すのか」「どんな実験器具が必要で、どのように実験を進めるのか」)を総合的に修得します。「創造理工学実験」は基礎力養成を主としていますが、各学科のより専門的な実験教育への懸け橋であるとともに、将来優れた技術者となるための礎を築く役割を担っています。専門分野を深く学ぶための土台づくり 【基礎教育】【情報の実験】独自開発した実験ボードを用いた論理回路の実験風景。論理回路の基礎から、7セグメントLEDを使った論理回路の応用までを学習します。【放射線の実験】霧箱を使った放射線観察の様子。目に見えない放射線を可視化して、観察します。他にもガイガー計数管を用いた計測もおこないます。【化学の実験】硼砂とポリビニルアルコールを用いたスライム実験の風景。化学実験では、実験を通じて実験器具の扱い方や洗浄方法など、化学実験についての基礎を学習します。【波・光の実験】音叉を使ったうなりの実験の風景。マイクロホンで音を電気信号に変え、オシロスコープで観察します。実験を通して波の基本的性質を学習します。【力学の実験】翼を使った航空流体力学の実験風景。想像力を働かせて、さまざまな形状の翼を製作し、翼に働く力(揚力・抗力)を測定します。【電気・電子の実験】実験ボードを使った半導体素子の実験風景。さまざまな半導体素子の特性を調べます。また、測定に必要な計測機器の使い方も学習します。創造理工学実験Ⅱ創造理工学実験Ⅰ基礎技術講義演習実験記録分析考察測定観察工作実習創造理工学実験の概念図基礎知識基本理念

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