工学部パンフレット
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20高校時代から化学が得意で、実験科目の多い大学で学びたいと考えていました。応用化学科では有機化学実験・無機化学実験・物理化学実験など、入学からの3年間で12科目もの実験・実習科目が学べます。1年次の「応用化学分析実験」では、実験方法の基礎やデータ処理の方法を学習し、その後も2~6人のグループで話し合いながら専門的な実験を行って、応用化学の研究に必要な実践力を磨きました。3年次からは「環境順応型機能材料の開発と応用」をテーマに掲げるゼミに所属し、木質バイオマスを用いた金属イオンの回収について研究しています。具体的には、有害物質である六価クロムの吸着条件を調査中。この過程で、スギ樹脂を用いると六価クロムとともに銅イオンも吸着できることに気づきました。各種木材の吸着特性をさらに調べれば、特定の金属イオンだけを回収できる材料の開発も可能になるはずです。卒業研究につながる発見ができた3年次のゼミ活動でした。 先輩からのメッセージ応用化学科4年 山岡 優唯さん 高分子ゲルとは、分子量の大きな分子が網目状になって液体を閉じこめている材料のことをいいます。他の高分子材料よりも強度や弾性率が低い脆弱な材料ですが、近年では従来のゲル材料と比べて格段に優れた機能を示すものも登場しており、「機能性高分子ゲル」としての幅広い応用が期待されています。私は現在、複数の高分子をある程度均質に複合化させる方法とされる相互侵入高分子網目(IPN)構造に着目して、有機物と無機物を複合化させた「有機-無機ハイブリッド型IPNゲル」の合成について研究しています。これまでのIPNゲルの合成は逐次生成法によるものが主流でしたが、本研究では製造に有利な同時生成法の確立に成功。ここで用いるシリコーンポリマーはその構造を容易にデザインすることができるため、それを生かした応用の開発が今後の課題です。そのため私は、博士後期課程への進学を決めました。自分の研究はもちろん、後輩や先生方との関係づくりにも努めます。応用化学科 佐野 潤太さん (2017年3月卒業 博士後期課程1年)実験科目の充実がこの学科の魅力。新たな機能材料の開発に取り組む。博士後期課程に進学して機能性高分子ゲルの可能性を追究。専門科目を学ぶ基礎を固めます。化学技術者として活躍するための素養を身につけます。スタートアップセミナーでは、化学の魅力と面白さを学びます。また、人文・自然科学系の共通科目で視野を広げるとともに、コア科目や基礎化学実験を通じて、専門科目を学ぶ基礎を固めます。専門科目が本格的に始まり、化学技術者としての基礎力を養います。実験科目は、創成的手法を取り入れた調査型・課題探究型の実験となり、自ら課題を見つけて解決する力を身につけます。化学技術者として活躍するための実践力を養います。4年間の集大成としての卒業研究を行います。より専門性の高い講義・創成型専門実験など、実践的な学修内容が増えます。秋学期には卒業研究仮配属があり、配属先研究室での実験や化学英語セミナー、近隣の企業で行う創成実習もあります。卒業研究が大学生活の中心になります。卒業研究は大きく分けて、基盤科学・生体機能、先端材料、環境調和の3分野を柱としており、世界最先端の研究の一翼を担うことになります。1年次2年次3年次4年次基礎化学実験の様子。滴定実験による硬度成分の定量中。無機化学実験の様子。大学院生のTA(ティーチング・アシスタント)も頼りになります。創成実習の様子。実際に企業に出向き、現場の技術者と作業することも。卒業研究の様子。世界で誰も作ったことのない新規物質もつくっています。1年次から多彩な実験科目があり、創成的要素を取り入れることで、化学技術者として必要な専門知識だけでなく実践力を養います4年間の学び方静岡県 浜松湖南高等学校出身愛知県 阿久比高等学校出身

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