工学部パンフレット
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163年次の「構造計画演習」では、割り箸を材料にしてブリッジやタワーの模型をチームで作りました。指定された条件の中で、デザインの美しさと荷重や横揺れに耐えられる構造を両立することに苦心しました。作品を持ち寄り、チーム同士で競い合うことで授業が盛り上がり、他チームの作品の優れた部分も学べる充実した授業でした。卒業研究では、コンクリートの自己治癒の力に着目しました。ひび割れて漏水していたコンクリートが自然に止水する現象のことで、簡易に再現できるように実験装置を工夫し、止水するひび割れの幅や生成した止水物質の特徴を調べました。研究過程で、授業では聞いたこともない先端機器・装置を使用することも多く、大学での研究の醍醐味を感じるポイントです。しかし、卒業研究では改善点や新たな課題も見つかり、大学院に進んで研究を続ける決意をしました。建築知識の幅を広げながら、将来の進路を見定めるつもりです。 先輩からのメッセージ建築学科 數村 萌夏さん (2019年3月卒業 博士前期課程1年)より良い建築物を設計するためには、デザインばかりでなく建築構法も学ぶ必要があります。そのため、卒業研究では建築構法の中でも外装仕上げの材料として使われる木材に着目しました。経年変化を測定するためにモデル棟を建てたり、対象となる実物件を調査したり、リアルで大規模な実験や調査の結果、有効なデータを得ることができました。このデータを利用して、卒業設計では経年変化を踏まえた建築物を設計しました。学部卒業後は、大学院に進学してさらに研究を深めます。ほかにも学びたいのは、英会話です。外国人の学生と茶室を設計するワークショップに参加したとき、自分の考えを相手に伝えられず悔しい思いをしたからです。また文系も理系もそろう総合大学の環境を生かして、他学科の学生とも積極的に関わって視野を広げたい。そしてさまざまなお客さまの意向を理解するために必要な経験がたくさんできていると将来仕事に就いたときに実感できればと思っています。建築学科 渡邉 早織さん (2019年3月博士前期課程修了)コンクリートの自己治癒性能に着目。大学院に進んで研究を続ける。デザイン以外の視点からも建築と向き合うため、木材の経年変化を測定して建築構法を研究。基礎製図・デザイン基礎建築デザインⅠ・Ⅱ製図方法の演習(基礎製図A、B)を履修して、1年間しっかりと製図・作図の基礎を勉強します。また、製図だけでなく、デッサンや模型製作など、デザイン教育の基礎も1年次のときにあります。初めて自分のオリジナルの設計に取り組みます。少人数グループを構成し、それぞれのグループごとに担当教員とアシスタントの大学院生がつきっきりで、細かく指導していくのが特徴です。実験・演習、ゼミナール卒業研究・卒業設計温熱環境や材料実験など、実際に手に触れて実測して、自分の経験と技術を増やしていきます。ゼミナールは、少人数単位で特定の教員とユニークな講義や演習を行う科目です。3年次までに自分の個性や得意分野を定め、希望の研究室へと散らばっていきます。4年間の集大成として、指導教授の下に卒業研究や卒業設計に取り組みます。1年次2年次3年次4年次石膏デッサンエスキス指導温度計測(環境系)建築工学実験(材料系)車いすによる現地調査人のために、社会のために。建築のデザインと技術の可能性を追求する4年間の学び方愛知県 知立高等学校出身岐阜県 帝京大学可児高等学校出身

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