EDUCATUS Vol.1
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8 現代教育学科の課外活動「なるほど!子どもアカデミー」では、春日井市教育委員会と連携して、春日井市内の小学校10校で「土曜チャレンジアップ教室」を開催しています。本学科の1・2年生が、小学校4~6年生を対象に、実験や制作を通して「なるほど!」という知的発見のある楽しい学びを提供する社会貢献活動です。昨今、子どもの理科離れや学習意欲の低下が指摘される中で、理科教育を重視した本学科の特性を活かし、地域の子どもたちに知的発見の喜びを知ってもらうことが、この活動の第一の狙いです。 第二の目的として、「子どもアカデミー」は現代教育学科の学生の「プレ教育実習」としての役割を併せ持っています。本学科では、3年次に小学校または中学校での教育実習に臨みますが、「子どもアカデミー」では、その前の1・2年次の段階で現場を経験する機会が得られます。本当に「おもしろい」授業とはどういうものか、どうすればそれを実践できるのか、仲間とともに考え、話し合い、答えを出していくプロセスが、学生たち自身にも大きな知的発見をもたらします。 こうした教員養成の文脈における「子どもアカデミー」の教育効果は、学術的な観点からも重要な意味を持ちます。1・2年次の段階で現場経験を積むことは、それ自体が教育力の向上に直接つながるだけでなく、自分が教員になるために大学で何を学び、身に着けるべきなのかという学習観の深化をもたらすでしょう。こうした学習観の深化は、大学の正規の授業科目での学びをより深く、実りあるものにし、それがまた再帰的に活動での実践の質を高めると考えられます。このように活動によって得られる「経験知」と大学の講義で得られる「形式知」が学生の実践的教育力にどのような相乗効果をもたらすのかを検証することで、学術的なレベルでの知的発見を実現することが、「子どもアカデミー」の第三の目的です。~現代教育学部のボランティア活動、研究会、セミナーなどの紹介~ 保育者・教育者になるためには何を学べばよいのでしょうか。子どもに関する知識? 保育や授業をするための技術? もちろんそれらも必要ですが、一番重要なことは、「子ども一人ひとりを理解し、それぞれの成長を見通した関わりをし、子どもたちが未来を切り開く姿勢を育んでいく力」です。この力を、私たちは保育・教育実践力と呼んでいます。 この実践力を学生が身に着けるために、中部大学では現代教育学部創設と同時に、保育・教育ボランティア「あつまれわんぱく隊」を立ち上げました。活動の理念は、「学生自ら主体的に学ぶ」「子どもと実際に関わりながら学ぶ」の二つです。 現在「わんぱく隊」は、自然体験、運動遊び、環境教育の3つグループに分かれ、それぞれのテーマを基に子どもたちと活動に取り組んでいます。どのグループも学生が自主自律で運営していますが、特にわんぱく隊ならではの特徴として、「保幼小の連携」「発達支援への取り組み」「春日井市を始めとした地域社会との連携」が挙げられ、これらの経験は学生の大きな自信へとつながっています。 現在では、わんぱく隊で磨いた実践力を基に、多くの卒業生が保育・教育の現場で活躍しており、その卒業生からも、「わんぱく隊での経験が現場での実践に役立っている」との意見が多く寄せられています。「あつまれ!!わんぱく隊」知的発見の喜びを目指して「なるほど!子どもアカデミー」キャンパス通信現代教育学科 講師伊藤 大幸 ITO Hiroyuki幼児教育学科  准教授釆  真澄 WAKEBIKI Masumi

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