中部大学日本伝統文化推進プロジェクト活動報告書
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https://www.chubu.ac.jp/humanities/02/form.cgiHISADA KANOH久田 勘鷗師シテ方観世流能楽師重要無形文化財(総合指定)保持者一般財団法人 能 姫町財団 理事長 一般社団法人 日本能楽会 会員公益社団法人 能楽協会名古屋支部 相談役名古屋観世会 代表久田観正会 主宰中部大学客員教授HISADA MITUKO久田 三津子師シテ方観世流能楽師 準職分重要無形文化財総合指定保持者公益社団法人 能楽協会名古屋支部 副支部長一般財団法人 能 姫町財団 評議員名古屋観世会 会員2021年5月26日(水)15:20~16:50 (開場15:00)プロフィール講演 久田勘鷗 師(シテ方観世流 重要無形文化財「保持者」)舞囃子「葵上」久田勘鷗 師、久田三津子師他 2021年5月26日(水)15:20~16:50、不言実行館アクティブホールにおいて、能楽鑑賞会を開催した。コロナ禍のため、観覧は学内の関係者のみで行われ、学生へは後日ビデオ配信で提供された。演目は能「葵上」であり、2021年度の日本伝統文化推進プロジェクトのテーマ『源氏物語』に沿った演目であった。演者は本学客員教授でもある久田勘鷗師、久田三津子師(ともに重要無形文化財総合指定保持者)、他の方であった。 ストーリーは、光源氏の正妻、左大臣家の息女の葵上は、物の怪にとりつかれ重態で、回復させようと様々な方法を試みるが、うまくいかず、梓弓の音で霊を呼ぶ「梓の法」の名手、照日の巫女を招き、物の怪の正体を明らかにすることになった。巫女の法に掛けられて姿を表したのは、元皇太子妃で源氏の愛人の六条御息所の怨霊である。御息所は、気高く教養深い高貴な女性であるが、近頃は源氏の足も遠のき、密かに源氏の姿を見ようと訪れた加茂の祭りでも車争いで正妻の葵上に敗れ、やり場のない辛さが募っていると訴える。そして、葵上の姿を見ると、嫉妬に駆られ、葵上の魂を抜き取ろうとする。家臣たちは、御息所の激しさにおののき、偉大な法力を持つ修験者横川の小聖を急ぎ呼んだ。小聖が祈祷を始めると、御息所の心に巣くっている嫉妬心が鬼女となって表われた。恨みの塊となった御息所は、葵上のみならず、祈祷をしている小聖にも襲いかかる。激しい戦いの末、御息所の怨霊は折り伏せられ、心安らかに成仏するというもの。 舞台では、久田勘鷗師による「葵上」の説明の後、久田三津子師に鬼女の能衣装をつける過程が示された。その後、鬼女となった六条御息所の怨霊が横川の小聖と争う迫力ある場面が囃子方(笛・鼓・大鼓)入りで実演された。能の醍醐味が満喫出来た。能楽鑑賞会「葵上」- 4 -

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