中部大学発 魅力ある授業づくり 作品コンクール 受賞作品
8/24

6ダメ出し大歓迎の授業の魅力 1年の秋学期、私は、微生物学という授業を受講した。その授業を担当する教授は「学生自身の言葉で」という言葉を口癖のように使った。授業を聞く時間とは別に、自分の言葉でまとめる時間が用意されている。学生が自分の言葉に直し、まとめることをとても大切にしていた。また、授業途中で問題が出されるが教授は答え合わせをしない。授業に絡めた興味ある問題であることが多く、私はいつの間にか授業時間外に考え、調べるようになった。授業が終わりに近づくと、授業の感想を記入する用紙が配られる。提出し、教授からのコメントが添えられた用紙が次回の授業で返却される。私はこの用紙に書かれている「ダメ出しも大歓迎」という言葉に驚いた。学生がもっとこうしてほしいという意見を、毎回の授業で積極的に求めているのである。 この微生物学を受講して、専門的知識だけではなく、自分で調べ、行動することの大切さを感じることができた。自分で調べ、自分の言葉で学習することで、理解のスピードも早まると実感したからだ。それは、歴代の学生からの意見やダメ出し、教授の取り組みが反映されていた授業であったからではないだろうか。 4年生に進級し、本格的に就職活動が始まった。私は就職活動中に、いくつかの企業に「どのような人材を求めているか。」という質問をした。その答えとして最も多かったのは「自力で考え、行動できる人」であった。社会人として大切な自分で考える力を、学生生活のうちに授業を通して身につけておかなければならないと感じた。 この経験より、魅力ある授業とは、専門的知識だけでなく、将来において役立つ考え方も身につけることのできる授業、つまり「あてになる人間」を育成することのできる授業ではないだろうか。微生物学を受講して身についた学習法や考え方は、「あてになる人間」として社会に出ても必要とされる。まさしく、中部大学ならではの魅力ある授業であったと思う。生命健康科学部 生命医科学科 4年浅井 美月優 秀 賞

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る