中部大学発 魅力ある授業づくり 作品コンクール 受賞作品
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4アメリカの授業が教えてくれた 私は昨年オハイオ大学の長期海外研修に参加した。そこで受けた授業でのアメリカ人学生の態度や先生の授業運営の違いに驚き、感動した。また、その経験はその後の私の学習や卒業論文に対する取り組みの姿勢に大きな影響を与えてくれた。 オハイオ大学は、授業中に先生が解説をしていると、学生が突然手を挙げて質問する場面が何度かあった。私は初めてその授業風景を見て驚いた。日本では先生の話を妨げてまで、質問をすることはまずしない。しかし、アメリカではそのようなことはお構いなしに、学生は質問をしていた。それだけでなく、オハイオの学生は、はっきりと、「私はそうは思わない」「ここはこうではないか?」などという意見を先生に主張することもよくあった。質問ではなく、どうでもいいようなコメントを言う学生もいたが、それが授業の潤滑油になっていた。私はオハイオ大学生の質問や意見を聞くたびに、先生の顔をまじまじと見てしまった。なぜなら、そんなにはっきりと先生に意見してしまって大丈夫かと心配になったからだ。しかし、先生は嫌な顔を一つせず、当然のように、意見を言った学生に向かって“Good job”や“Good question”といって授業を進めていった。 さらに驚いたことがあった。それは、矢継ぎ早に質問をするアメリカ人学生より、先生は、私たち日本人に対する対応の方が困っていた。なぜなら、私たちが何も発言をしないからだ。今考えると、私たちから何の反応もないため、きちんと理解しているのか不安になったのだろう。しかし、私たちは日本で授業を受けるときと同じように、授業を受けていただけなのだ。日本の授業で先生が説明している間にいきなり発言をするような学生がいたら、周りの人は驚いた顔でその人を見るのではないだろうか。奇異な目線を向ける者もいるかもしれない。だが、アメリカで日本と同じように授業を受けていると、先生が困るのだ。私はアメリカと日本の授業の違いを、実感し非常に面白いし、本来はこうであるべきではないかと思った。私は日本での「異文化コミュニケーション」などの授業で多少文化の人文学部 英語英米文化学科4年川口 由依奈中部大学長賞

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