中部大学発 魅力ある授業づくり 作品コンクール 受賞作品
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1高等教育における『学び』を考える  高等教育における学びは、大学を構成する学生・教員・職員すべてがかかわるものです。われわれは、講義、実習、実験、フィールドさらに課外学習において、ひとびとの交差の中で、専門分野を学び、専門分野を超えた教養を身に着け、自分の生き方を見つけていきます。ここでは学びでも、教室で行われる授業の中での学びに焦点を当てます。 高等教育における授業は、単に一方的な知識の伝達ではなく、学問体系の最前線を学ぶ教員の姿を学生が見て、学生がそこに魅力を感じて、初めて教員と学生がともに学ぶ授業が出来上がります。中部大学では高等教育における学びに対して、さまざまな教育環境を整える取り組みを実施しています。2008年には、『魅力ある授業づくり』を重点目標として定め、授業づくりは、教員と学生の一体化によって進めていくべきものという方向を打ち出してきました。 社会は技術、特に情報機器の特段の進歩の中で、大学における授業そのものも急速な変化を遂げています。スマホによって、居ながらにして、専門用語の意味するところを調べることができ、情報は得ることができます。つまり、高等教育機関での授業は、専門知識の伝達だけでは意味がなくなってきているとも言えるでしょう。 授業の中で教員とともに学ぶ、仲間とともに学ぶ。それはスマホによって情報を得、知識を蓄えるのとは、根本的に違う「学び」の喜びがあり、学生間、そして学生と教員の相互作用によって生まれる「学び」の喜びであり、人間力が大きく育つところであると考えます。 本学では、2013年度に第1回中部大学発『魅力ある授業づくり』作品コンクールを行い、小論文、俳句、短歌、ポスター、エッセー、漫画を含む多くの応募作品の中から選ばれた作品を小冊子にまとめました。感銘を受けた授業、シラバスの重要性、TA(ティーチングアシスタント)との関わり、そして教授法の改善の提案、学習内容と社会とのつながりなどについて語られ、学生と教職員が積極的にかかわってこそ魅力ある授業が生まれることが認識されています。今回、第2回目の作品コンクールを開き、新たな気持ちで、学生・教職員ともに『学び』について考える機会としたいと願っています。中部大学長石原 修

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