平成29年度成果報告書
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平成29年度 地域志向教育研究経費 成果報告書 活動項目 ④生活・住環境を考えるまちづくり フリガナ 氏 名 タケダ マコト 武田 誠 所属・職名 工学部都市建設工学科・教授 活動課題 春日井市における内水氾濫の理解とその地域住民への広報活動 活動組織 フリガナ 氏 名 代表者及び分担者 所属・職名 現在の専門 学 位 役割分担 武田タケダ 誠マコト 代表者 工学部・都市建設工学科 水工学 博士(工学) 解析ツールの開発、現地調査の実施、学生指導、研究のとりまとめ 活動経過と成果 春日井市の地蔵川流域では、平成23年9月台風15号の豪雨の影響により浸水被害が生じた。このような浸水対策を検討するためには、下水道の影響を考慮した浸水解析ツールが有効である。また、下水道整備などのハード対策や避難などのソフト対策の実施には、住民の理解が不可欠である。 本研究では、都市浸水のモデリング(現地観測)や、浸水対策の検討に有用な内水氾濫解析モデルおよび雨水の移動の可視化技術の開発を行った。さらに、浸水に関する住民理解の促進のために、都市氾濫模型を活用し広報活動を行った。本研究に参加した学生は、春日井市の水害の特徴や対策を学んだ。オープンキャンパス、大学祭などにおける都市氾濫模型を活用した学生の広報活動により、地域住民の浸水に関する理解と参加学生の地域志向の学びが深まった。 本研究活動は、平成27年度~平成29年度に行われた。平成27年度は、春日井市の内水氾濫を対象とした解析ツールを構築し、平成23年の豪雨災害の再現計算を行い、モデルの精度を検証した。平成28年度は、雨水の移動の可視化技術を開発し、河川から下水道への逆流の見える化など、都市浸水を深く考察することができた。平成29年度は、都市浸水のモニタリングを行い、春日井市における豪雨による浸水現象を、現地観測データを用いて深く考察することができた。さらに、観測結果と解析結果の比較により、解析モデルの精度検証を行うことができた。このように、学術の面からも、この3年間の成果が得られている。 また、これらの研究を実施した学生は、春日井市の都市浸水に関する理解を深め、多くの学会で成果発表を行っている。さらに、大学祭、中部大学フェアー、建設技術フェアー(主催、国土交通省中部地方整備局・名古屋国際見本市委員会)を活用し、得られた都市浸水の理解を広報し住民の理解の深化のための学生発表を行った。特に、平成28年度からは、大学祭において、地域住民に対する「都市氾濫模型」を用いた学生プレゼンテーションを実施した。さらに、これらの活動を通じて、地域創成メディエータも育成できた。 本研究は、春日井市を対象とした都市浸水の研究を進め、それらを学生が理解して、学生が地域に向かって情報発信することで、地域に還元する「地域志向型の学び」を目的とした。参加した学生も積極的に活動し、地域住民の意見から刺激を受けるなど、良い学びができたと考える。 2 活動報告-81-

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