春日井市における世代間交流による地域活性化・学生共育事業 平成25年度成果報告書
93/111

2 実際の小学生を招いた「科学の学び」を支援するイベントは、「なるほど!子どもアカデミー」として平成25年11月30日(10:00-12:00)に開催し、20名の小学生および保護者の参加を得た。その後、今回の一連の経験を学生自身に振り返ってもらうために、学生自身による報告会(11月30日13:00-16:00)を実施した。また報告書のある部分(pp.7-25)を学生に執筆させた。 (おもな成果) おもな成果について、学生が担当した報告書の記述および学生対象の事前事後の質問紙調査の結果の概略を述べる。 学生の報告書の記述からは、本企画に参加することにより、子どもと楽しく過ごしたこと、教授スキルには様々な側面があること、それを体得し実際の子どもの学びに活用することは容易ではないこと、自分なりの今後の課題を見出したことなどが示された。また、マネージメントの役割などの経験から、学びを管理する能力の重要性やその向上を実感したことなども報告された。教員が行った質問紙調査の事前調査では、「子どもアカデミー」に参加するにあたって学生が最も重視していることは「子どもと接すること」であり、次いで「授業の準備や進め方などの授業者としての教師のあり方を学ぶこと」であることが示された。一方、事後調査で次年度に向けての考えを聞いたところ、大半の学生が、①「効果的な授業方法の学びと探求」②「教材研究・知識の向上」③「スムーズな授業の進行のための準備」の内容に言及しており、事前調査における「子どもと接すること」に相応する⑤「子ども理解」よりも圧倒的に多かった。この結果から、学生は、「子どもアカデミー」の活動をとおして、「授業の準備や進め方などの授業者としての教師のあり方を学ぶ」ことの重要性に気づき、このことへの意欲・関心が高まったと考えられる。質問紙調査の結果分析は現在進行中である。内外の先行研究の方法論や結果などと比較してさらに検証を深め、次年度以降の企画、運営に活かしたい。 活動成果の公表 2013年度(平成25年度)の活動に関して報告書にまとめ、50部印刷した。報告書の構成は、子どもアカデミーの概要説明の後、第一部が学生自身による活動報告、第二部が学生への質問紙調査についての考察、第三部が資料となっている。 また報告書とは別に、2014年度「なるほど!子どもアカデミー」の企画(8月と11月)の広報用にチラシを作成し、その中に2013年度の活動を紹介した。500部印刷しており、近隣の小学校に配布する予定である。 なお、本年度は、学生自身の教授スキルや、教授活動を展開するために必要なカリキュラム管理・スケジュール管理等のマネージメント能力を向上させることが目的であり、現在その評価についての検証を進めているところである。これらの結果を整理し、現代教育学研究所の紀要や関連の学術雑誌に公表したいと考えている。 2 活動報告-81-

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です