春日井市における世代間交流による地域活性化・学生共育事業 平成25年度成果報告書
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22)教員の支援活動の層 わんぱく隊活動は学生の自治的な活動であるため、教員はその自治的・主体的な活動が円滑に進むような支援をおこなった。田畑の管理のしかたや、科学実験のアイデアの助言、アレルギーの対応についての知識の提供など、学生たちの求める情報と学生とを結びつける援助をおこなった。 なお、これまで教員に頼っていた電子書類の処理や印刷などに関しては、COCの予算で購入したノートパソコン・プリンター等によって学生たちがさらに自律的に活動できるようになった。 3)教員による研究の層 まず、子ども、学生、保護者に対して行ったアンケートについて触れる。 参加した子どもたちのアンケートによると、「わんぱく隊を楽しみにしていたか」という質問に対して83.6%の子どもが「とても」、12.7%の子どもが「まあまあ」と答えていた。おおむね、子どもたちにとっても楽しく学べる場となっていたことがわかる。学生たちのアンケートでは、「実践的指導力が向上しているか」という質問に対して、91%の学生が「大変向上している」「向上している」と答えている。これより、わんぱく隊活動は子どもにとっても学生にとっても、本人たちの実感として共に学び育つ場となっていると言える。また、保護者へのアンケートによると、96.4%の保護者が学生の行動について、「非常によかった」「よかった」と答えている。子どもたちがわんぱく隊を楽しみにしていたと考える親も96.4%いた。先に触れたアレルギーの子どもに対する対応や、こうした保護者からのアンケートに示唆されるように、保護者といった学外の地域住民の声に耳を傾けながら連携することで、学生たちは保護者の信頼を得ることができたと考えられる。わんぱく隊の活動全体の反省点として挙げられたのは、障害児を担当する学生とそれ以外の学生との協力体制が未整備だったこと、学生のリーダーシップ、準備や反省における時間の使い方などである。一つ目については、わんぱく隊の組織改編について学生たちと話し合った。二つ目についてはリーダーとなっている学生間の連携体制を検討することとした。三つ目については学生の会議の時間を昼休みに設けるなどの工夫をした。また、信州大学で開催された「信大YOU遊20周年記念シンポジウム」(2013年8月10日)や、福井大学で開催された「福井大学教育地域科学部教育実践研究公開クロスセッション」(2013年12月21日)に参加することで、わんぱく隊と同様の活動をしている他大学の様子を知ることができた。それを基に、今後のわんぱく隊の活動の方向性を検討していく予定である。 活動成果の公表 1)全国フレンドシップ信州大学大会への参加と実践報告の公開 2014年3月5日から3月9日まで開催される全国フレンドシップ信州大学大会に、学生7名が参加した。その際に、中部大学のわんぱく隊の活動の実施内容と成果について報告した。 2)2014年5月14日に開催予定である中部大学ESD研究発表会にて、地域社会と連携して共学・共育を進めてきたわんぱく隊の活動を発表する予定である。 3)2014年5月17日、18日に開催される日本保育学会第67回大会にて、「保育者養成大学における地域と連携した共学・共育プロジェクト」を主題とし、地域に育てられ地域に還元する保育力・教育力育成の試みとしてのわんぱく隊の活動を発表する。 4)中部大学現代教育学研究所より、2014年度3月に、わんぱく隊の活動を、フレンドシップ活動報告として冊子にまとめ公表した。 2 活動報告-79-

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