春日井市における世代間交流による地域活性化・学生共育事業 平成25年度成果報告書
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3 本取組みにより構築する教育システムは、通常の大学の基礎の上に専門をおく直線型教育と異なり、基礎と専門を交互に発展的に教育すると共に、全学共通教育科目の中で、学生生活のライフプランやキャリアデザインを考え、授業中または授業外においてグループワークを通じて自己を理解し、「あてになる人間」として社会に巣立つための行動計画を持てるように促す科目(社会人基礎知識、自己開拓)を複合的に絡めたシステムとする。さらに、前述の特別課題教育科目にある「地域の防災と安全」や「持続学のすすめ」を、らせん構造に沿わせるイメージで発展させる。今回、さらに『特別課題教育科目』中に、新設科目『地域共生実践〜春日井市問題発見のすすめ〜』を設置する。 『地域共生実践〜春日井市問題発見のすすめ〜』では、地域における人の行動の視点から考察する。特に、地域で“多くの年代”や“様々な考え方や文化の人々”が共に生活する(共生)ことに対応する人間的基盤形成を目的とする。また、春日井市の問題発見についても考える時間を十分に設定し、地域への志向を育てる。さらに、これまでの既存科目のHub的役割を担う科目を意味付ける。車輪の中央の轂(こしき・英語で「hub」)から輻(や)が四方八方に伸びているように、本新設科目が本取組みでは重要なKeyとなる。本取組みでは、学生がやってくる、やりにいく場所を整備する必要があり、その基盤科目である。平成25年度現在、中部大学には「地域」や「社会」を対象とした科目が全学合わせて43科目存在し、延べ2,473人の受講生が存在している。これらの学修が現在必ずしも十分活かされていないため本取組みにより行われる教育改革として、教育プログラムの新しい展開を行う。この新しい教育システムにおいて、学生の成長を飛躍的に促進させる仕組みが“地域との関わり体験プログラム”である。後述する6つの重点事業(高齢者・学生交流Learning Home Stay、シニア大学(CAAC)、キャンパスタウン化、コミュニティ情報ネットワーク、報酬型インターンシップ、生活・住環境を考えるまちづくり)に様々な形で学生が関わり、社会を生き抜く力を体験学習から得る事になる。地域社会で学生が育つという、社会が人を育むことを体得する。さらに、人が地域社会をつくり出している事を実感することで、人が社会をつくる好循環を生涯にわたり担える人材へと成長する。体験学習は、循環的に自己を成長させることができると考えている(右図)。本取組みにおいて、地域と協働で学生を育成することが最大の特徴である。 本取組みにおいて教育システムを修了した学生には、学長より『あてになる人間=地域創成メディエーター』を認定する。そのために、本システムの評価方法を確立する必要がある。評価方法には様々考えられるが、従来の学力、単一分野に関する研究内容を問う評価方法では、正当な評価は難しい。本課題をこの取組みの早い段階で確立する必要があるため、中部大学では、平成20年度以降大幅な教育改革を進めている。本事業では、更なる教育改革として、全学共通教育(前述)1 概要-7-

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