応用生物学部2023
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動物・植物・微生物について“生物機能の開発”に重点を置いた学習・研究を行います。同時に生命倫理学なども学び、バイオ技術をいかに人の役に立て、社会に還元していくかを考えます。微生物は発酵・醸造食品を生み出しただけでなく、抗生物質や生活習慣病に対する医薬品の生産をも可能にしました。また“生分解性プラスチック”の実用化が注目されるなど、“生物機能の開発”はこれからも多くの発明・発見をもたらす研究分野です。“動物・植物・微生物の力”を理解し、応用する力を身につける。農学、理学、工学、医学など多様な分野の研究者である教員が集合していることも、応用生物化学科の特徴です。動物や植物の分子生物学、理論生物学などの基礎的分野から、糖鎖工学、バイオインフォマティクスなどの応用分野まで、多様な視点から“生物”を眺めることで、既存の学問分野にとらわれない新しい発想や考え方を生み出す̶̶学生にとっても、そして最先端の研究を続ける教授陣にとっても刺激的な環境です。多様な視点から“生物”を眺め、新しい発想・考え方を生み出す。“最新バイオ技術”と“最新化学技術”を習得し、“微生物”“動植物”を扱う技術を身につけ、“薬”“産業”“食糧問題”などに貢献できるバイオのエキスパートを育てます。薬産業食糧問題化学バイオ微生物植物動物College of Bioscience and Biotechnology 05-06応用生物化学科石田研究室の専門分野は“分析化学”です。バクテリアや動・植物プランクトンなど微生物の構成成分を、試料の前処理に手間をかけず、ごくわずかな試料量で分析する、高感度かつ迅速な分析方法を開発しています。伝統材料の分析、裁判化学(いわゆる科学捜査)への協力、バイオマスの有効利用など、さまざまな分野へ応用しています。【石田 康行 研究室】研究室の人々バイオマス資源の有効利用“マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析計(MALDI-TOF-MS)”を微生物や有機物の特定に利用します。バイオマス資源から取り出したポリフェノール類の構造の解析、バクテリアの種類の特定に活用しています。微生物や有機物の特定伝統材料に化学の目毒性が強い環境でミジンコは生きられません。しかし、個体によっては化学物質に耐性を持つもの、毒性の弱い環境で生き残るものなどが存在します。より精密に調査するため、ミジンコ1匹の栄養状態を分析する方法を開発し、新たな環境モニタリング法を構築しました。生態学の分野からも高い評価を得ています。ミジンコ1匹を徹底分析夏の高級敷物として利用される“油団(ゆとん)”は和紙にえごまの油を塗り重ねて仕上げる日本の伝統材料です。使うほど艶が増し、20年ほどで最も強度や撥水性が高まるという不思議な素材。“反応熱分解ガスクロマトグラフィー”を使って、その原因の解明を試みています。バクテリアを生きたままコロニーの状態で、脂質の量や形を分析します。消毒薬や薬剤に耐性を持つバクテリアを簡単な方法で検出し、病院内での感染を防止するなどの研究に役立てています。バクテリアの培養“過熱水蒸気発生装置”により約400℃までの高温の蒸気を発生させます。廃棄木材やバナナの皮、どんぐりの殻などからポリフェノール類といった有用成分を高効率に回収し、有効利用する実験に取り組んでいます。

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