応用生物学部2023
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大学では、大西研究室で“カドミウムによる肝細胞への影響”を研究していました。いま素材開発課で担当しているのは、乳酸菌の研究です。乳酸菌の培養やその製剤化に取り組んでいます。大学で身につけた細胞や微生物を扱う技術は、現在の仕事に直接役立っています。また、遺伝子組み換え技術を経験できたことも、これからの研究の可能性を広げてくれると考えています。大学の実験では試験管レベルで培養していた微生物を、現場ではトン単位で製品化しなくてはならなく、スケールが大きく最初はとまどいましたが、いまはこの仕事がやり甲斐になっています。乳酸菌研究はアレルギー抑制などさまざまな機能が注目されており、その生理活性機能を活かす製品開発に取り組みたいと思っています。バイオを学んだ先輩たちが、幅広い分野で活躍しています。応用生物学部で何を学び、自分のどんな可能性を発見し、何を目指したのか・・・。バイオの知識と技術を基盤に、それぞれの分野で活躍する先輩たちからのメッセージです。臨床検査技師資格を取得後、バイオを学びたいと編入学。知識と技術の幅を広げ、非臨床試験の研究員に。医療系の短大で臨床検査技師の資格を取り、応用生物学部には3年次編入で入学しました。もともとバイオに興味があって、学びたいという想いを諦められなかったんですね。いろんな分野の先生に出会えたことで、バイオへの興味はさらに増しました。私がいま担当しているのは、ラット、マウスを使った動物試験です。動物に投与する試験物質の調製、投与や、試験終了時の解剖、動物組織の鏡検などを行っています。医薬品、食品関係の受託試験が主なので、臨床検査技師としての知識が役立っていることも事実ですが、バイオを学んだことでさらに広がった知識と技術が活かされています。新しいことに挑戦する積極性を身につけたことも、私にとっては大収穫でした。サンエイ糖化株式会社素材開発課阿部 秀飛培養、製剤化 ・・・・ “乳酸菌”の産業利用を研究。アレルギー抑制などの機能性を持つ乳酸菌を開発したい。株式会社 DIMS 医科学研究所第一試験研究部 研究員・臨床検査技師南部 智美微生物と向き合う“ものづくり”の世界。醸造の仕事で、バイオの知識と技術を活かしたい。大学・大学院時代の一番の思い出は、中国の奥地へ研究テーマのRheum属植物を採集しに行ったことですね。南先生に同行し、3度出かけました。フィールドワーク、DNA分析など実験室での研究、学会……バイオに関するいろんな経験をできたことが、いまにつながっています。私が担当する業務は、酢造りです。原料となるもろみに水と種酢を加え、発酵機の中で酢酸発酵させます。5~30日の発酵期間中、正確な温度管理を行い、酸度やアルコール濃度を測定し菌の状態を確認します。分析作業は必須ですが、味や香りなど感覚の判断も重要です。微生物と向き合う“ものづくり”……奥の深い醸造の世界で、大学で学んだバイオの知識と技術を活かした仕事をしたいと思っています。原料となる酒造りから自社で一貫して行い、高品質の酢造りを実践。百貨店にビネガー専門店「オークスハート」も展開する。内堀醸造株式会社醸造課 酢造り係久島 広晃内堀醸造株式会社医薬品など各種開発物質の非臨床試験を受託。名古屋市立大学と共同開発した「中期発ガン性試験」は、国際的にも高い評価を得ている。株式会社DIMS医科学研究所薬に関わる仕事がしたい……その想いが、学ぶ意欲に。“酵素”の研究開発型企業で、試験技術の開発を担当。入学する時から、薬に関わる仕事がしたいと思っていました。だから薬や微生物に関する授業は全部受けたし、卒業研究は禹先生の研究室で“プロポリスに含まれる骨粗鬆症を抑制する物質の単離と精製”に取り組みました。興味を持てることを見つけたら、とことん学んでみる。応用生物学部には、その意欲に応えてくれる各分野の先生がたくさんいるんですね。だから私も、望み通りの仕事に就けたんだと思います。この4月に、新しくできた試験技術チームへ異動し仕事の幅が広がりました。以前は試験検査チームで酵素の活性測定などを担当していましたが、現在は新たな測定技術の開発を目指し準備を進めています。統計学など、新たな勉強も始めています。天野エンザイム株式会社品質管理部 試験技術チーム川口 緩子医薬用、診断薬用、食品用、工業用など幅広い分野に利用される“酵素”を製造・販売。特に胃腸薬の消化酵素で国内最高シェアを誇る。天野エンザイム株式会社ブドウ糖のエキスパート企業。国内で最初に医薬用ブドウ糖の製造技術を確立し、現在でも約80%のシェアを持つ。サンエイ糖化株式会社卒業生の声

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